ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集 カルミニョーラ

#その他音楽

ヴィヴァルディにはおよそ240曲のヴァイオリン協奏曲があるらしく、このCDに収められているものはどれも初録音だそうです。大家なのに録音されていないとは、と驚くべき所なのか当然なのか悩ましい所です。曲自体は量産されたものの一部とはとても思えない充実したもので、根底には人(貴族)を楽しませようとする心があります。各種の優れた芸術家がそういう心を持った時に本当の芸術が生まれる、ということは多く、この曲はそうですし、それはカルミニョーラにもいえると思います。
カルミニョーラは昔衛星放送で四季を弾いているのを聴いた事があるんですが、表現の幅広さと華がある舞台姿に強く印象付けられました。キョンファの四季を聴きに行った事があって、当時は余韻が濃く残っていたんですが、あんまりの音楽の方向性の違いに鮮やかなギャップを覚えたのを覚えています(笑)
そんなに有名な演奏家ではないのだろう、と思っていたんですけど、気紛れで近隣の図書館の検索をかけたら結構CDがあったので、驚きつつ喜びながら借りて来た次第です。それにしてもブックレットの解説に経歴どころかカルミニョーラの「カ」の字も出て来ないのはどうしたことでしょうか(笑)
華麗で物凄く表現が幅広く、しかも指揮者のワルターの様に、良く音楽を知っている事が伝わって来る演奏です。ハ長調の二楽章のような緩楽章も抜群です。弦の歌わせ方、間の図り方を熟知している感じで、寂寥感を醸しつつ間断がありません。相変わらず活きの良いヴァイオリニストです。ヴィヴァルディを演奏させたら無敵なんではないでしょうか(笑)どこをとっても清新で楽しいです。今度生で聴いてみたい気になりました。

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