一見何気ない平常展のようなタイトルですが、見違えるほどに充実している展覧会。
世界的にも有名なMIHO MUSEUMのオリエント美術の逸品を65点集めたものであり、どれも考古学的に重要のみならず美術としてとても美しい品がびっくりするくらい多いのが特徴。
世界に支持される気鋭の美術館のコレクションとはそのようなものなのでしょう。
綺麗な品は重要な品でもあり、目が楽しめると共に歴史の重要な部分を目撃することができます。
MIHO MUSEUMは信楽の山に埋設されている非常におしゃれな美術館で自然との共生が主眼。
アメリカのサックス奏者がここで受けたインスピレーションをもとにアルバムを作っているのだそうです。
解説は擬古文調の詩文のようで非常にテンションが高いのが特徴。当時の人々の展示物やそこに込められた象徴に対する気持ちが伝わってくるのが良いところだと思います。
いつも英文を併せて読むのですが考古学的な言葉だったりかなり文章が難しかったです。
この前のアフガニスタン展で刺激を受けましたけど、オリエントの面白さは影響がごちゃごちゃな所とそこから出てくる独自性とまだあまり解明されていないところ。今は無いような文化がたくさんあったりするところも興味深いです。また大陸なので特有の風通しの良さのようなものも感じます。
現在からはなかなか想像しにくくてさながら失われた巨大大陸のよう。
イスラーム以前の複雑にして豊饒なオリエント世界を堪能できる展覧会です。
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