ビゼー アルルの女 レークナー ベルリン放送交響楽団

#その他音楽

有名な盤ですが、この度リマスタリングされたとの事で、図書館に入荷しました(笑)他の盤との比較は出来ませんが、かなり余計な音を削ってあるタイプのリマスタリングのようです。

前奏曲の有名な主題からして、清新な強さが有ります。一方たおやかな所は何処までもたおやかで、レークナーの中庸的な巨匠性が実に良く発揮されていると思います。アダージェットの懐かしみを湛えたロマンティシズムが素晴らしいです。
カリヨンのワルツのリズムは、実に落ち着いていて切れています。もしレークナーが存命だったらカルウォーヴィチの録音を入れて欲しかった、と思いました(笑)
終曲の「ファランドール」で主題も高らかに、壮大なフィナーレを迎えます。反復が多いのに、全く野暮ったく聴こえないのは、レークナーの表現の力といえるでしょう。

音にしてもリズムにしても、過度の強調は無いのに、明瞭ではきはきとしているのがこの演奏の長所です。もしこのブログを観ていらっしゃる方で、素晴らしい演説家になりたい方がいらっしゃったら、このレークナーのアルルの女を参考にして練磨されると良いと思います(^^)(何
このCDのレークナーについての解説の最後は「皆様はどうお聴きになるだろうか」、という言葉で締め括られていますが、良い言葉で、レークナーの多面性を良く表していると思います。

早朝の登山のような楽しさがある録音です。うきうき出かけた後は、自然の美しさを嗅いで、御来光を拝んでおしまい、といった感じです。

小組曲「子供の遊び」は「舞踏会」が微妙な転調に、サウンド・オブ・ミュージックを思わせるかもしれない、楽しさがあります。
組曲「美しきパースの娘」は「ジプシーの踊り」がビゼーの楽しさが詰まった曲です。

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