さぁやって参りました、年に一度?の信者の祭典です。
酷暑でしたが勿論行きました、台風の日に自転車漕いで行った事も有りますからね。
イドメネオ序曲はフィガロのような激遅のテンポになるかと危惧されましたが、ちゃんとしたテンポでやや安心。
フィガロであるとか合唱のメサイアであるとかの宇野先生のテンポはそれはそれで個性なのですが、私はどうも余り好みません。あんまり聴く気にならないんですよね。
相変わらず低弦が厚いですが、ちゃんとモーツァルトになっていたのでそれも生きている感じがしましたね。
この日の宇野先生は実に元気でした。
グレイトの時とかブラ1の時なんぞ殆ど生気が感じられず、ああ、これは死期も近いかなぁ、等と思ってしまいましたがとんでもない。
朝比奈隆を上回る寿命を誇るはずの宇野先生は70半ばにして壮年なのです。
畳み掛ける動きにピアニッシュモ、実に激しくこんな70台は私は見た事がありません、矍鑠としていて流石我等が教祖です。
まぁ、好きな事やっている時は元気なんですよね、宇野先生は。
これから毎回モーツァルトとベートーヴェンだけにしたらいいんじゃないんですか。
今月号のレコード芸術でバレンボイムのマーラーを褒めちぎっていましたが、私には宇野先生が聞かなくても上岡が素晴らしいと分かったように分かります、きっと駄演です。
マーラーとかブラームスは分からないし聞きたくないからレコード回さないでくれってちゃんとレコ芸の編集部に言った方が良いですよ。
嫌いだから大体味消し系指揮者を推薦するんですよね、それで普段貶している指揮者に対してもバランスが取れると。
なんかイヤラシいんですよねぇ。
それはさておきプラハは緩急をこれでもかと強調する演奏でした。
遅い所はいつもの宇野調で速い所はほぼシューリヒト/パリオペラ座管弦楽団と等速でした。
速度の変化が激しかったりするから入りが合わないんですよねぇ。
宇野先生は巨匠で呼吸が深いからみんな探りかねていましたね。
半テンポずれる感じ、他では味わえませんよ(爆)
忌憚無く言わせて頂ければこのプラハの一楽章ほどSAKURAの技術のアマチュアっぽさが目立った演奏は嘗て有りませんでした。
第九の時も危なかったですけど、今回はちょっと拙いです。
管と弦の呼吸が合っていなかったし、そもそも管の人はちょっと・・・アマチュアの方に申し上げるのは筋違いかもしれませんが、あんまり良く有りませんでした。
フルートの女の人達を除いて後はちょっと修行して頂きたい。
特にオーボエ、もっというとホルンはミスや生硬な音が目立ったように感じました。
そもそも宇野先生が管に余り造詣もとい興味が無いとの噂があるせいかもしれませんが・・・。
やっぱりモーツァルトに加えて凝った指示に応えるのはそもそも無理なのかもしれません。
宇野先生には似たような表現を是非プロ桶で達成して頂きたいですね。
プラハの白眉は第二楽章でしたね。
宇野先生は合唱出身だから基本的に緩楽章っぽいのが得意な気がするんですよね。
美しかったし「深遠を覗き込むような」感じ(笑)も出ていましたぜ。
それにしても宇野先生の必殺技が少し見えてきたんですけど、宇野先生は最強音の次にピアニッシュモとはいかないまでも消え入る様な弱い音を置くのが好きなんですね、独特のデリカシーを感じますな。
三楽章も良かったんですけど、やっぱり桶がついていけてない感じもするんですけど、速い所のテンポは理想的だし、この曲で一番大切な宇宙が爆発する感じ(by iroironakizi)がしたから良かったと思います。
大体何時もこの曲はシューリヒト盤ばっかり聞いているんで辛くなってしまうんですよね。
それを考えると普通の指揮者の演奏よりは何百倍もモーツァルトの心が伝わってくる感じでしたね。
休憩を挟んでエロイカですけど、出だしは思いっきりクナッパーツブッシュで会場全体に聞こえぬ笑いと「そうでなくては!」という叫び声が木霊しました。
ここまでは恒例なのですがここから先が素晴らしかった、いつもよりずっとテンポが速かったんですね。
正直、新星日響盤のベチャっとした演奏はもうウンザリでした。
あれ、メリハリが無いんですよねぇ。
この年になってきっと緩急というものを悟られたに違いありません。
そうなると宇野先生の巨匠のポテンシャルが発揮される訳で、厚く時に吼える見事な演奏でした。
織田信長は大将に必要なのは表裏を弁える事だという風なことを言っていましたが、宇野先生は緩急を弁えられたのです。
しかもテンポを落とす所はガクッと落として感嘆の声と笑いを取る事も忘れません。
やっぱり何故か今回は技術面の粗が気になるのですが、それをしょっ引いても素晴らしく宇野先生史上最高のエロイカでした。
しかし、片隅でこんな変な事をやっているなんて日本って国も変だなぁ、なんて思ったりもしたんですが。
宇野先生は日本の至宝ですからね(笑)
葬送行進曲はさっきも言ったように歌いきって時にぞっとさせるような見事な演奏でした。
しかし歌い過ぎでなんか演奏時間が異様に長かったような・・・・・。
やや交響曲全体のバランスを崩してしまったかもしれませんね。
明らかに寝ているような人間が周りを見るとちらほら・・・気のせいですかね?(笑)
私も殆ど仮死状態で第三楽章を迎えましたが、ここは何時も結構速いんですよね、でも今回の方が速かったかな?
今回なんで演奏が速いのかなーっと思ったんですが、もしかしたら恐らくは上岡の影響ではないでしょうか(聴いたこと無いけど)予想ですけど。
第四楽章は大体一楽章と同じ路線で同じく名演でした、ここでやっと完全に復活しましたね(笑)
何時も通りの爆裂ティンパニで煽る宇野先生の指先が撓っていましたね(笑)
今回の演奏は密度が濃くてとても素晴らしかったと思います。
やっぱり宇野先生にやる気があるとこっちも楽しいですよね。
しかしなんか途中で携帯?が鳴った様な。
後、後ろの年配の人が若い女連れで演奏中に感想を喋っているんですよ、んなアホな。
荷物をいじくる音もガチャガチャうるさいし・・・・。
これは宇野功芳クオリティなのでしょうか?(関係ないか)
自由なのは良いですけどねぇ。
何か演奏中は外が雷雨で凄かったらしいんですけど、調度演奏中でまったく分かりませんでした。
勿論宇野先生&アンサンブルSAKURAが呼び寄せた雷雲である事は疑うべくも有りません!
さぁ次は九月に向けて皆さんも修養致しましょう!
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