交響組曲もののけ姫 クレメンス指揮 チェコフィル

#その他音楽

昔友達と宮崎アニメで一番何が良いだろうという話をしている最中に、戯れで「もののけ姫?」といったら「そうかぁ?」と言われて困ったという事がありました。宮崎監督は常々自分のためにアニメを作ってはいけないとおっしゃっていますが、もののけ姫はそういう意味で言ったら自らの思想を開陳する為に作ったという面が強く、アニメの内容がイデオローグの従にされている所が有るので、傑作とは必ずしも言えないと思うんです。
その時「最初の曲が良いんだよ」と言って苦笑いされてしまいましたが、これがどっこいこの「アシタカせっ記」(何とか変換しようとしてぐぐっていたら「茸記」という表記を見つけてぶっ飛びました(笑))は半端じゃない名曲だと思っています。壮麗にして日本の森を描いて余す所が無く、久石さんの曲の中でも1,2を争う傑作なのではないでしょうか。
CDはこのチェコフィル版が圧倒的に良く、静かな所は森が本当に囁いているかの如くですし、盛り上がりの所は目も眩む様な色彩美です。私が勝手に大河の始点で葉から露が滴る場面だと解釈している1:43と3:50前後(イメージアルバム盤だと琴が入っていて更にそれっぽい)も雰囲気が良く出ている感じです(予想×2)
しかしチェコフィルの歌い方は最高です。そもそもとても好きな楽団では有るのですが。クレメンスの指揮も極めて優れていてアシュケナージでなかったのは本当に僥倖でした。
余談過ぎますが、この曲のクナッパーツブッシュ・ヴァージョンというのを考えて頭の中で鳴らす趣味が5、6年前に有ったんですが、あんまり他の人の同意は得られそうに無い内容ですね(笑)
イメージアルバムのヴァージョンも東洋的な編曲で面白いです。実はこの演奏は淡白なんでくさそうかなと思っていたんですけど、さっき聴いたらそれなりに面白かったのでここに評価させて頂きます(笑)チェコフィルの様な豊かな陶酔性は無いですけど、胡弓はやっぱり効いていますし、編曲が違うので比べられませんね。

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