ブルックナー交響曲第六番 ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団 1995年LIVE

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ブルックナーの感想をあんまり書きませんが、嫌いな訳ではなくむしろとても好きで以前に相当聴いていたので、最近その反作用で殆聴いていません(笑)
いざ聴かないで居るとそもそもブラームス党の私は、やっぱりあの開放的な音は体質に合わないかなぁ~、と思ったりして更に聴かなくなりました(^_^:)
CDがよりどりみどりというか、一長一短と言うかで悩ましいせいも有るのですが、ここら辺の比較は長くなるのでまた今度致します。
試聴の再開の事始は比較的聞かなかった6番です。
一楽章はバイオリンやフルートが弱音で奏でる一筋の木漏れ日の様なメロディが頻出し、そういったニュアンスを出すのが巧いヴァントの長所が良く発揮されています。この交響曲はヴァント版を推す人が非常に多いですけど、彼の力を発揮する為の舞台がこの交響曲には全て整っている様に思います。
小型と言いますけどガンガン金管で押す所が少ないという位の感じで、ブルックナーの良さをニュアンスに第一に求める私からすると非常に好ましい曲です。
12:00分位からのヴァイオリンが螺旋を描いて上昇する様な所は、後期の曲でも頻繁に出てきますけど、ここでは極めてデリケートで美しさでは屈指だと思います。
二楽章の2:25や9:55から始まる聖母の懐中に抱かれる様な優しさは、他の作曲家からは殆ど味わえない物です。既に最晩年に差し掛かっているヴァントの指揮は極めて落ち着いていて、ゆっくりゆっくりと素晴らしい旋律を音化していきます。
第三楽章はスケルツォです。ブルックナーのスケルツォは金管が珍妙なリズムを刻んでいく物が多くて、たまにやけにマイナーに聴こえたりするものが有るんですけど、6番ではやはりそういったものの中に雲の切れ間の如く素晴らしいメロディが散らばっているのが良い所です(笑)
第四楽章は3:35辺りのクレッシェンドしきる前の一瞬とか結構良いと思います。6:50のメロディはヴァントならもっと美しくできたんじゃないかなぁ、とか思いました。コーダはブルックナーとしては軽くて楽しいし、良い所は沢山有るんですけど極めて細切れに全曲に散らばっていて、これがスケールが小さいと呼び習わされる所以なのかもしれません(^_^:)
久しぶりに聴くと、ブルックナーの音楽が放つ中毒性の物質が身体の中を廻って来たのをぞわぞわっと感じます(笑)

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