行って参りました。
最初にあったのは坂本龍馬の書状でしたが、これが極めて適当で、坂本の奔放な人柄をリアルに感じ取れました(笑)先々の先なんていう剣術用語が何気無く文章の中に入っていて、流石は小栗流の免許皆伝です。
由利公正の書状もあって、写真も大きくありましたが、由利公正は良い兄ちゃん風の人です(笑)この人ですとか、横井小楠の文章の中には、賢い人を登用すべし、との旨が書いてあって、世襲制の弊害が余程猖獗を極めていたんだな、と思いました(笑)いや、現代でも笑っていられない話ですか。
今回一番良かったのは、勝海舟が山岡鉄舟を讃えた掛け軸ですね。
勝海舟と山岡鉄舟は意外と仲が良いんですよね。2人の経歴を見れば仲が良いのは当たり前なのですが、何分タイプの違う二人ですからね。
海舟が病床の鉄舟に最後にかけた「俺を残して、先にゆくのか」なんていう言葉も、二人の人生を思えば重み万鈞で、思わず貰い泣きしそうになります。
機知に富んだ海舟と愚直な鉄舟、と全く正反対のように思えますが、どちらも身分の余り高くない武士の出身ですし、若い時は剣の修行を死ぬ気でやっています。刀を抜かないで狼藉者を退ける海舟と、無刀流の鉄舟、といった所も良く似ています。
結局は、激動の時代を胆力で乗り切ってきた2人、と括ることが出来るのかもしれません。
それにこの2人、幕末を見渡せる良いポジションにいるにもかかわらず、司馬遼太郎が主人公にして小説を書いていないんですよね(多分)
司馬遼太郎はどっしりしたタイプの人間を書くのが苦手なんじゃないか、という評をインターネットでなさっていた方がいらっしゃいましたが、それは私も昔から考えていたことで、そういう傾向は有ると思います。
結構奔放で品のある人が好きなんですよね。
司馬遼太郎は「好きな女優は中村玉緒さん」が決まり文句で、私はからくりテレビなんかを見て、最初は驚いていたのですが、ややあって気が付きました。あの中村玉緒の自由奔放さこそ、司馬さんが最も愛するものだったんですね。そしてそれを謹直に振舞っていた若かりし中村玉緒を見て、司馬さんは見抜いていた。そういうことだったのではないかと思いました。
西郷隆盛の書は悠然としてて見事でした。しかし、これは確か前にお宝鑑定団で見たような・・・(多分)さらっと漢詩を書いて、こんな作品になるのですから、立派なものです。
冷房が少し効き過ぎだったかもしれませんが、面白い展覧会でした(笑)
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