よいしょよいしょ、音楽の感想を書くのはちょっと間が開きましたね。
あんまり大きな声ではいえないんですが、最近は音楽を聴いていた時間を、楽器をいじる時間に回すようになっています。あんまり大きな声ではいえないんですが・・・(微苦笑)
第1番はまず、迫力があるのに力みが無い所が良いですね。
第2楽章は個性的な味付けが各所にありますが、表現より落ち着きを優先している印象を受けます。
至る所にある、クレッシェンドやディミヌエンドも、それ程強調されたりはしません。
演奏の善悪とは別に、ブラームス臭がどの程度するかというのが、私の関心事なんですが、この演奏は50パーセント位ですかね。ワルターよりちょっと成分大目かな、といったところでしょうか。
このCDは宇野先生の解説が付いていて、3番の方が良いと書かれているんですが、私も全く同感で流石は宇野先生です(よいしょ)
第1楽章は所々のアッチェランドに、切迫感が宿っている所が良いです。5:00辺りのティンパニの思い切った鳴らし方など、豪放で新鮮に聴こえます。しかし、これは本当に1番と同じ指揮者なのでしょうか(^_^:)
第2楽章もブラームスのセンチメンタリズムからすると、やや骨太ですが、余裕がある分、後ろ髪を引かれるような味わいがあって、素晴らしいの一言です。
朝比奈隆が東ドイツのオーケストラに客演した時に、指揮姿がアーベントロートに似ているので懐かしがられた、なんていう話が宇野先生の本に書いてありますけど、それは決して外見だけの理由ではないと思います。
1960年位までの往年の巨匠には、その後の時代より、朝比奈の様に陶酔を逆にしたような要素を持った指揮者が多かったと思います。アーベントロートもその一人といえるでしょう。
第3楽章は木管が裏打ちするリズムが明確で、3拍子である事をよく知らせてくれます。
聴けば聴くほど、微妙に強弱が付いていて、何気無さにはっとさせられます。
第4楽章もそこまで大きな音量は出していないし、テンポも速いのですが、それでなお大きなスケール感がある所に、この指揮者の個性が良く現れています。
幅の広い川があって、その中で魚がぴちぴち跳ね回っている。そんな感じの演奏だと思います。
コメント