太田記念美術館 「東海道五十三次の世界ー広重と国貞」 後期 その3

#その他芸術、アート

行って参りました。

東海道ということで、広重の作品が多め。

東海道五十三次シリーズの「川崎 六郷渡舟」は屋根の色がまちまちで、揃っていな美意識はやはり共感できます。とはいえ特に実際は共通した色合いがあっただろうことは今日とは違いますかね。

「小田原 酒匂川」は有名な、山が塗り分けられたキュビズムの先駆にもなったのではないかといわれる作品。さっきの屋根とあわせると、色とりどりに塗り分けられていた方が綺麗だな、という感覚を感じます。

有名な「蒲原」は雪の降らないところで雪を描いた空想の作品、という解説が一般的ですが、この解説だと近くの七難坂という所を描いたものではないかということ。そこだと雪が降るのですかね。
当時は寒冷期だったので降った可能性もありますかね?

「掛川 秋葉山遠望」は糸が切れて飛んでいった凧が描かれていて「岡崎 矢引き之橋」には大名行列が描かれています。
「池鯉鮒 首夏馬市」は牧草地の風の描写が見事。

広重は「東海道風景図会」という名所案内の本も出しているらしく、本展覧会で開かれたページは波と山を画面両端に対置させた構図が奇抜です。

東海道といえばそもそもは北斎ということで、「十四 原」は朝鮮通信使らしき人の背景に富士が描かれていて、北斎の富士は、世界の中の日本の富士、を意識して描かれているという説を裏付けるのかもしれません。

東海道ものは国芳も描いていて、天保5,6年ごろ(1834~5)の「東海道五拾三駅五宿名所」は和様の風景画で右端に干してある着物が華麗です。山は細かく描かれていて名前も貼ってあり、写実重視の洋画志向の雰囲気がすでにみえるのかもしれません。

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