5月7日の午後6時15分ごろのテレ朝のスーパーJチャンネルのニュースでは山形のマタギが福島の原発事故の影響で熊を獲る事ができないというニュースで、祭りができなかったり、周囲の熊を出す旅館ではお客が2割減などの影響が出ている、という内容でしたが、やはり特集中東電という単語は出てきませんでした。
東電が補償するのが当然ではないか、と特集中でいうのが当然です。それを言わないメディアは原子力ムラの一番強力なピースになっているといえます。
5月7日の報ステの宮嶋泰子さんの体罰とスポーツについての特集は、フィンランドの事情を取材していましたが、双方のスポーツの歴史を精確に概観して比べる、という点で正確性を欠いていて浅いリポートになっているように思うのがやや残念。
日本の明治5年以来の軍隊と結びついた体育教育を「日本のスポーツは学校体育という特殊な形で」という言葉で表現していましたけど、これは当時世界中で行われていたことであって、むしろ当時の欧米の教育の移入であったという点は重要でしょう。これでは日本だけが特殊であったかのような印象を与えて、正しいとは言えません。
フィンランドは16歳以下の全国大会は行わない、としていますが、荒川静さんは日本のフィギュアスケートが強くなったのは小さな世代で全国大会の経験を積ませたからだ、と言っていましたよね。フィンランドは五輪選手団の組織的なドーピングなど勝利至上主義への反省からこのような形をとったようですが、勝利にこだわらない限りで全国大会の経験はむしろ子供にプラスになるでしょう。理想的な形を追求したいところ。
ペッカさんという人は「日本人はスポーツといえばオリンピックでそれが全てであり重要なことだと思っています。」といっていましたけど、空手のように五輪が無いにも関わらず巨大な組織を擁している分野はたくさんありますし、先入観であるという指摘を免れないでしょう。一部の関係者の気持ちは言い当てているのかもしれませんが。
もっと大きく括ると、宮崎駿さんがおっしゃる、お金にならない個性は個性とは認められない、という部分が大きく関わっているように思います。
「日本のスポーツトレーナーはトレーニングのことばかり一生懸命考えていました。楽しむことをまったく考えていませんでした。」といった部分も、最先端の良い取り組みの中では変わり始めているでしょう。
もちろん学ぶべき部分は多いのですが、このフィンランドの人が語る日本のスポーツ像は多分にステレオタイプのもののように思いました。
これだと海外を見習え、で終わってしまうのですが、それでは自分たちの中に無いもの、ということになってしまって、時間もかかるでしょう。
一つしかスポーツをやらない、という傾向はやっぱりあって、もったいないといえるでしょう。古くは武芸十八般といわれていましたし、近代以降でも織田幹雄とかはオールラウンダーだったそうで、それ以降にもどこかで細分化しすぎるようなことが起こっていたのかもしれません。
寺子屋教育に始まり武術まで、生業、日常のちょっとした事についても「これを楽しむ者に如かず」というのは日本のあらゆる教育の根幹でした。やはりそれを思い出す、というのが非常に大切だと思います。
「正規と非正規の中間「限定正社員」って? 普及策検討中」(http://www.asahi.com/business/update/0506/TKY201305060006.html)について5月8日のモーニングバードでやっていて、宇治原さんの、平等主義に陥って全体が沈んでしまうのが一番まずい、上手く運用できればこういう制度も良いのでは、というコメントを基調に扱っていましたけど、こういう仕組みで優秀な人が残るかというと非常に疑問なんですよね。
新自由主義的な社風では上司が警戒をして優秀な人材は昇進させないともいわれています。短期的な成果を優先したり人の成果を横取りするようなことが横行するとも言われており、諸々の要素のなかで会社で重用される人材が決まっていくんですよね。
そもそもそういう懸念が大きいですし、これはやはり企業側の論理から出ている政策で、当然そのような視点から扱うべき問題です。
次の「漁船20万隻、一斉休漁検討 円安で燃料高騰「対策を」」(http://www.asahi.com/business/update/0423/TKY201304220461.html)といった感じのニュースで、かつお漁船が赤字になっているというもの。アベノミクスを褒め称える萩谷順さんは、全体の景気が良くなればこの人達の給料も上がる、と極めていい加減な事を言っていましたが、まさに選挙目当ての目くらましを褒め称えた皮算用といえるでしょう。
アベノミクスをただ批判するの良くない、と小松靖アナウンサーは〆ていましたけど、円安はいつか来る必然的な流れだったとして、以前から金融緩和は繰り返しており、危険な博打でもあって、旧来型の公共事業を増やした所で、保守にお金が回らず被災地から人手を奪うことになります。TPPで混乱や国富の流出が想定されますし、早急に辞めさせなければいけません。
消費税という文字を使ってはいけない、というのは共産国家の政策ではないかとびっくりしたという人が多いですが、発想のもとが誰なのか、ということが報道されないのが非常におかしいと思います。
首相の責任で行われていることで、そのように報道するべきだと思うのですが、そうでなくても最低首相はこれをよしとするのかという事を聞くべきだと思うのですが、そういった映像はみたことがありません。
北朝鮮の報道も相変わらず多いですけど、現実的な脅威として、原発が狙われないのか、という視点とセットで報道するべきだと思います。
それにしても、原発や避難者のニュースより多いのはとても偏っています。
玉川さんのそもそも総研では原発事故について。水素爆発は覆水器がある4階で起きていた可能性が高い、とのことで、すでに地震で覆水器は壊れていたのに、それに対する対策を盛り込まないで、世界で一番厳しい安全基準、と原子力規制委員会が称しているという話。
何故盛り込まないかというと、それだと今ある原発がすべて稼動できなくなってしまうから、というのが理由で、結局は拝金主義とそれを覆い隠すハリボテ式の嘘であるといえます。
面白い特集ですけど、それでは何故再稼動させたがっているのか、という所への斬り込みが無く、「そもそも」という名前が付いている割には、一番の原因の直前で番組が止ってしまうようなことが良くあると思います。テレビではここまでが限界だということでしょうか。
5月9日の報ステでは福島第一原発で汚染水になる前に井戸を作ってくみ上げる、という事をやっているというニュースをやっていましたけど、最後に古舘さんの補足でこれをやっても400トンから300トンに減るだけだといっていましたけど、これは補足ではなくて、前提としてVTR中に組み込むべきことでしょう。これで汚染水問題が解決するかのように誤解させる構成で、反対をしている漁協の人達のイメージを大きく損ないかねないと思います。
また漁協が反対するのは一つの大きな問題として東電が補償をケチるからであって、拝金主義が根本的な問題であるといえるでしょう。
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