ハワイ:真珠湾で3000人黙とう 攻撃から73年

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7日の安住さんのラジオのゲストは磯田道史さん。片山杜秀さんと共通するようなオタッキーな雰囲気がナイスな人。「ようこそ先輩」の高松城の水攻めの土塁を再現したものは観させてもらいましたけど、面白かったですね。シリーズ中屈指の出来だったのではないでしょうか。

しかし「坂の上の雲」や司馬史観・作品はいまだに高く評価されているのですかね?

関ヶ原の西軍の実質の総大将は誰だったか、ということでそれは宇喜多秀家だっただろう、とのこと。

お家の内紛で宇喜多隊は混乱していたが、兵隊は朝鮮での戦いを潜り抜けた凄い練度で、それでもあれだけ強かった。しっかり纏まっていたらどうなっていたかわからない。福島正則なんか一発で蹴散らされていただろう、とのこと。

ifを持ち込むことに躊躇されていましたが、これに立花宗茂がいたらわからなかったかもしれませんよね。

秀家はかなり牧歌的な人だったらしく、こういったことを踏まえて肖像画をみると吹き出してしまうくらいです。親の直家が権謀家ですから随分落差があります。

その宇喜多秀家は逃避行の果てに八丈島に島流しになって、これは前に「ヒストリア」でやっていたので結構知っていたのですが、一方で名前を変えて生き続けた違う流れがあったらしく、磯田さんはその子孫からお手紙をもらったとのこと。

子孫は武士の最下層の役職にずっと押し込められていたが、明治になって再び兵を率いる立場になりたいと思ったらしく、今は海上自衛隊の重役などをしているとのこと。

家の伝説による上昇圧力を感じますが、平家の落ち武者伝説みたいな感じとは明確に違うんですかね?

細川家に召し抱えられたそうですが、細川家だから何とかなったのかもしれないですよね。

このように連綿と宇喜多秀家の子孫なんだよ、ということが伝えられてきたのは、それが日本社会で得だったからだろう、とのこと。大泥棒の子孫などは探しても出てこないのだそうです。

一方で「ハワイ:真珠湾で3000人黙とう 攻撃から73年」(http://mainichi.jp/select/news/20141208k0000e030125000c.html)には山本五十六の子孫が顔を出したそうですが、このように子孫がちょこちょこ出てくるのも、未だに一部で人気が高いからだと思う。

山本五十六や米内光政は、すべての責任者であり元凶です。

大本営発表で美化して伝えられていたのがいまだに引きずっているとも言われています。彼らは能力もなく無責任の極みです。

今朝の天声人語にも引用されていましたけど、真珠湾攻撃でチャーチルは勝利を確信したらしく、実際ここが分かれ目になりました。

彼我の戦略眼の差は絶望的です。

そういう世の中の認識は変わらなければなりません。

今もなのかもしれませんけど、ちょっと前まで阿川弘之の一連の歴史捏造著作が読書感想文の課題図書になっていたりもしていました。カルト的と言いたくなるくらいの嘘だと思います。

小説は本来事実をもとに、真摯な推測を働かせて事実だけではわからない真実を浮かび上がらせるためのものですが、戦後の日本では嘘をつくための道具になってしまっているのです。そしてそれを指摘してこなかった、学者やそのまま映像化したりするメディアの罪も同等です。

わたしは歴史学会は義務として、その年の流行小説や映像作品の史実と違う所を指摘した冊子を毎年出すべきだと考えています。

他にも、、そもそも半藤一利さんは海軍善玉史観の人で、最近それ放棄した本を書かれましたが、それまではやはり善玉に寄っていたということなのでしょう。

つまり、正常な感覚から言えば軍部寄りの人であって、その人がいかにも良心的な史観の代表のように皆が躊躇なく口に出すのは一体どんな状況になっているのだろうと思います。

報ステで恵村コメンテーターも薦めていましたね。

保阪正康さんも海軍善玉史観を放棄されてきていますが、それでもまだ山本五十六や米内光政への評価が随分甘いように、折々の随筆を観ていて思います。

良心的に書かれているのかもしれませんが、資料の猟渉の中で、資料そのものに影響を受けて、あたかも軍部の内輪の人間であるかのような感覚が少し強くなっている人なのではないかと感じるのです。

最近はナショナリズムの分類をされていましたが、あのABCの分類は甘いと思う。

あの分類から言えば軍部はAに分類される愛国心を持っていたということになるのでしょうけど、彼らが国家のためを思っていたとは私は思わないんですよね。

愛国心の中に私利私欲が入っているかいないかということが、一つの大きな分かれ目なのだろうと思います。

更に保阪さんに関しては「現在、日本でジャーナリストという言葉が一番ふさわしいのは田原総一朗さんですよね。」(「そして、メディアは日本を戦争に導いた」半藤 一利 (著), 保阪 正康 (著)23ページ)という文章を読んで疑念が深まりました。

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