サンデーモーニングでは「群衆」について特集。
断言や反復に弱い、ということでヒトラーを取り上げていましたけど、良い物でも繰り返し言わなければ浸透しないものがあるでしょう。
注意は必要ですけど、これで物事の可否を分けようとするのは危険だとも思います。
大勢のサクラが間違えた答えをする中で、人に線の長さを答えさせる実験は面白かったですね。
「個性の尊重」が叫ばれる中で年々流された誤答は減って行くだろうと予測していたが、年々増えていくとのこと。
「同調を強める社会的背景があるのでは」とのこと。
戦後同調しなければ生き辛いような社会を形成していき、それが民主主義の退化を招いていることへの本格的な反省が必要です。
寺島実郎三井物産戦略研究所会長は誰かが政府に批判的なことを言うと不満そうに身体をゆするのが特徴的。きっとストレスを逃がしているのでしょう。
氏は安倍政権の年始のあいさつに触れ、経済的な繁栄だけでよいのか、といっていましたが、安倍政権では経済的な繁栄は計れないという認識が一番重要です。
原発の「貧乏神話」と同じで、反対しているようにみせて(マスコミを通じて)政府の方向に人々の心裡を追い込んでいくテクニックが透けて観えます。
そもそも氏はポジション的には海外の事情通というような雰囲気で呼ばれているはず。海外でアベノミックスが失敗の烙印を押されていることを知らないのか、知っていてウソをついているのか。
群衆ということでパネルは今やいちばん有名な浮世絵ともいえる歌川国芳の「みかけハこハゐが とんだいゝ人だ」が紹介されましたが、類作の「人かたまつて人になる」に添えられている「人おほき人の中にも人ぞなき人になれ人人になせ人」は群衆というテーマにぴったりな深い言葉なので紹介するべきでした。
群集心理についてひたすらやりましたが、そのもととなっているマスコミの超偏向報道については触れず。スタジオでメディアについてコメンテーターがちょこちょこ散発的に発言するのみ。
今の日本を間違った方向へ導いている原因の極めて大きな部分がここにあります。
番組は「我々の尊厳は考える中にある」というパスカルの言葉を引いて終わりましたが、考えるにはその土台が無ければなりません。
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