サントリー美術館 生誕三百年同い年の天才絵師 若冲と蕪村 第3展示期間 その3

#その他芸術、アート

「第 5 章 中国・朝鮮絵画からの影響」は同様の企画の展覧会を見逃していたので、今回の中でも見たかったコーナー。

「伝 李公麟 筆 猛虎図 一幅 紙本着色 朝鮮中期・16 世紀後半 京都・正伝寺」は朝鮮の絵ですが、若冲は中国のものだと思って模写していたとのこと。

日本のものとは違った、画面からびよびよ出てくる感じというか、生命感があります。

「与謝蕪村 筆 関羽図 一幅 絹本着色 江戸時代・明和 4 年(1767)」は「劉俊 筆 東方朔図 一幅 絹本着色 明時代・15―16 世紀」の劉俊に倣って描いたと書きこまれていますが、あくまでその技術は現代的で実在感があり、一つの種をもとにした展開に観えます。

時代的な制約はありますが「藍より出でて藍より青し」と言っても良い出来。

「伊藤若冲 筆  無染浄善 賛  仔犬に箒図 一幅 紙本墨画 江戸時代・18 世紀 京都・細見美術館」は禅の古典を読み込んで独自に開発した画題とのこと。

簡素な構成の中に薫る禅味があって、絵の蕉風復興運動と言いたいところ。

近代の多くの絵師とは違って、犬の柔らかさが強調されたものが多く、餅のような姿・質感です。

こういうベースになっている禅の感覚は非常にしっくりきます。

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