忖度の「忖」を「字通」(白川静 著)で引いてみると、指を4本並べた形の寸に計る意味があるらしく、心を計ることとのこと。なるほど、きれいな成り立ちですね。
この漢和辞典は本当に音読みで引けるのが楽ですよね。
「忖度」の用例は今から2000年前の中国の「後漢書」から。漢文読み下しで難しいですけど、自らに忖度する、ということをいっているので、自分に問いただす感じがそもそもの古い用例といえるのか。
本来の「忠」の意味。自己に忠の「忠」に関連するような使われ方をしているといえるでしょう。
忠はの語源は「中心」であって、今でいう「軸がぶれない」とか「芯が通っている」という表現のそもそもの言い方といえます。
だから例えば忠臣というのは「筋を通す部下」という意味だといえる。そこで筋が通らない時に主君を押し込める「易姓革命」がペアで存在するんですね。
戦前の日本で「忠」という言葉を歪めてすり減らして、今では誤解を呼ぶからか、そもそもの用例をだれも知らないがためか使われませんけど、こんなきれいでいい言葉はないと常々私は思っているんですよ。
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