は専門家二人による現地調査。
血縁に窯焼き職人が多かったらしく、そこで焼き物に親しんだりした子供時代を送ったらしい。
私生児扱いで正式な教育は受けられませんでしたがその分他のものをたくさん学べそうな環境だ。
また、とにかくダ・ヴィンチが修行をしたヴェロッキオ工房が凄かったらしい。
ヴェロッキオが芸術的なことはすべて請け負っていたのでダ・ヴィンチは万能になったらしい。当時栄に栄えていたフィレンツェでは土木も圧倒的に盛んでその技術も吸収。
ボッティチェッリを始め錚々たる兄弟弟子が揃い、ミケランジェロもラファエロもヴェロッキオの弟子筋だ。
こうなるとももはや万能の天才が生まれる必然性すら感じさせます。
ヴェロッキオとダ・ヴィンチが描いた「キリストの洗礼」はダ・ヴィンチが描いたところだけ当時最新技術だった油彩画使われているとのこと。油彩は当時登場したばっかりだったんですね。
最初に使った人達がそれを極めたということなのか。
「受胎告知」は聖母マリアの右手が長く、書見台が歪んでいるという解説。私は2007年に東京国立博物館に観に行っており、それは今回の池上英洋教授が監修されましたが、そんなこと言っていましたっけ(^_^;)
そういわれると、天使の右小手もちょっと長い気もしますよね。
おそらく昔の人は今のように画材もふんだんではなく時間も手本も限られておりどのように絵が上達したのか昔から謎だなと思っていたんですけど、ダ・ヴィンチにしても23才にして未熟だったということなのか。
未熟であるがゆえに共作説が唱えられてきたがこの番組では最新研究をもとにそれを否定。しかしWikipediaは共作説を採っていますね。
後半でウフィツィの学芸員がダ・ヴィンチ作かどうか判断する基準に盛んに柔らかい柔らかいといっていましたけど、私はこの作品は硬いと思う。
空気遠近法を始めダ・ヴィンチの特徴がたくさん出ている本作。
しかしボッティチェリの「東方三博士の礼拝」なんかも背景がぼけていますけど、あれは空気遠近法なんですかね?
ダ・ヴィンチはヴェロッキオ工房と対立する工房によって同性愛者に仕立てられた可能性が高いとのこと。
今まで同性愛者だと記述する資料ばかりだったので、この部分は驚きでしたね。
しかし
などではいまだに同性愛者であった可能性が高いと書かれています。昔のことなので難しいということか。
番組後半はダ・ヴィンチ作ではないかといわれている作品を周遊。
ヤマザキマリ氏はやっぱり自身が描いていますから当然ですけど絵に強いですよね。
ダ・ヴィンチは模写が難しいとヤマザキマリ氏。自然も簡単に写す現代人でもダヴィンチの模写は難しいということなのか。
ダ・ヴィンチがモデルといわれている彫刻や絵はここまで多いんですね。
ダ・ヴィンチは彫刻をたくさんしたと書き残しているにもかかわらず一作も確定した作品が見つかっていないとのこと。ほとんど工房での共作でこれかなぁという感じみたいですね。
どれも通り一遍の画集などには収録されていないものばかりで、門外漢の私などからみればダ・ヴィンチの新出作品がぞろぞろ出てくるような気分だ。
歴史についてもかなり詳しくやっており、細かに観ていくと大事件と動乱の連続だ。
ミラノではダ・ヴィンチは音楽家として召し抱えられたがそれは彼にとって屈辱だったとのこと。この経歴でどこで音楽家として宮廷に召し抱えられる技術を培ったのか謎としか言いようがなく、後世からみればすごいことですが、本人は光栄だとは思っていなかったということなのか。
孔子の「鄙事多能」
に似た話です。
ダ・ヴィンチが成功したのは「最後の晩餐」の成功が大きかったらしい。
専門家の旅ならではの充実した映像作品でした。
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