NHKドキュメンタリー – エマニュエル・トッド 混迷の世界を読み解く その7

最後は再び日本の人口減について。

日本には子供を預けるのは悪いことだという伝統的な観念があるので保育所をたくさん建ててもすぐには問題は解決しないだろう、とトッド氏。

それはどうだろう。

そういった観念があるとしたら保育所を利用するほうにではなく建てる方にあります。利用しなければならない人たちは速やかに利用するでしょう。

それに預けてはいけないというのは、本来日本人の中にある価値観ではないと思う。
それは日本ではかつて天皇や武家など余裕のある人たちは乳母を利用していたことからも推察できます。
寺子屋も世界に先駆けて発達していた。親は共働きで子供は適当に遊んでいるか寺小屋に行っているというのが江戸期的な原風景だと思う。

明治期以降家族の形が変わる中で生まれた観念だと考えます。天皇家が乳母を使わなくなったのもそこからですよね。

トッド氏には日本の作られた歴史を見破るところまで観察を進めてほしいです。フランスと同様、もしくはそれ以上にそういったものはとても多いのです。




日本なら人口減にうまく対処するだろうとかつては思っていたとトッド氏。

上のような価値観は確かに存在しているし、利権によって予算が配分されない、という理由も大きいです。
「知識人」の人たちの中には人口が減るのならそれで良いという人がかなりいたし今もいます。

社会の持続可能性の観点からも(年金は勝手に官僚に食いつぶされたものなのでここには含めない)人口は必要ですし、それに私が思うに快適な住みよい世界であれば人口は増えるものなのです。

そういう意味でも少子化対策は何を置いても一番に取り組まなければいけないと私は考えるのです。

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