行って参りました。
まえに平等院鳳凰堂展と書きましたが、それだけではなく、ガンダーラの彫刻から、各国の仏教美術が集結している展覧会であることが、会場に入って判明。
「飛天」の歴史をすべて振り返るものになっています。「飛天」は良く仏教絵画などの背景でぱらぱら飛んでいるもので、西側世界での天使に当たります。実際ローマ・ヘレニズム文化の影響もあって、そういうのには、羽のついているヴァージョンもあります。
日本は西洋風の「薫り」を付けた方がなんでもうけが良いので、敏腕広告マンだったら「東洋の天使展」などという副題を付けるかもしれないと思いましたが、付けないほうが良いといえるでしょう。
ただ、表題から連想したものと中身がやや違い、そこらへんのギャップを埋めるタイトルの工夫はありえたかもしれません。
寺の中から飛天が来るのははじめて、とあいさつにあり、あれっ、古本屋の過去の平等院鳳凰堂展のカタログで出品されていたけどなぁ、と思ったのですが、それは壁に張り付いている「雲中供養菩薩像」であって、今回初めて来るのはご本尊の光背についている「阿弥陀如来坐像光背飛天」であるとのこと。恐らく当初の鍍金が完璧に残っていて、柔和で静けさを感じさせる素晴らしいものでした。
飛んでいればなんでも飛天なんじゃないか、とも思ってしまうのですが、飛天・菩薩像・迦陵頻伽といったものをかなり細かく分類して成立史を明らかにしているのが本展の特徴。
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