たばこと塩の博物館 特別展「やすらぎのオーストリア ~カフェとたばこにみるウィーンの文化史~」

#その他芸術、アート

行って参りました。太田美術館に先に行ったのですが、開館15分前だったのでたばこと塩の博物館に旋回しました。
講演がある特別な日だったらしく、入館料は100円。更にパンフレットを持っていると団体料金になるので、50円でした。コストパフォーマンスの良い美術館です。講演はインドについてだったらしく、興味はあったんですけど太田美術館に行くのでパス。うぅ~ん、面白かったかもなぁ?

オーストリアといえば、最近毎朝BSでやっている「毎日モーツァルト」は面白いです。ただ演奏が玉石混交なので、毎日聴いているうちに、悪い演奏を聴いた時に感じる特有の違和感が、だんだん均らされるようで、少し不気味です(^_^;)たまに違和感で気持悪くなる時もあるのですが、それでも番組の作りが良いので、先を観たくなってしまうという、、、
人によってはおすすめできない番組かもしれません。
そんな中、聴いていて、おっこれは、と思ったらクレンペラーの指揮でした。クレンペラーのモーツァルトというと、異端っぽいですけど、意外と方向性は正統派な感じで、やっぱりモーツァルトの指揮者としては、有名な人の中では五本の指に入る人ですよね。モーツァルトの美感、深みが綺麗に出ていて良かったです。

たばこと塩の博物館の中でも、本格的な展覧会で、出品されたものの量・質共に相当のものでした。
いつもと違って順路が時計回りで、オーストラリアの国柄と関係があるのでしょうか?

最初はたばこの薬効についての本で、お尻から浣腸をして煙を行き渡らせるらしく、腹痛・腸捻転・回虫に効くのだそうです。煙でいぶしてしまえば、回虫もイチコロかも知れません!?
1772のウィーンで発刊された本らしく、丁度モーツァルトの時代ですね。モーツァルトも旅の途中はおまるを携行していてかなり臭かったらしく、そっちのネタに彼が走る必然性があった時代だったのかもしれません(何

その横には実際の浣腸器が。長い管の先に、空気を送り込むふいごのような物が付いていて、危険です。おぼれた人の気付けなどに使われたらしく、当時のウィーンでは決しておぼれてはいけないといえるでしょう。

気を取り直して、たばこはハプスブルグ家が税金をかけていたらしく、「エリザベト皇后形 磁器性たばこジャー」がさすがの美貌の品。無垢な感じの表情に、コルセットで作られた人工的な内側を想像させて、中々おもむき深いです。
「エリザベート皇后の肖像」もけっこうかわいらしいです。

たばこはフリーメーソン(リー)とも関連が深いらしく、解説によれば「会員同士の友愛を深めることを目的とした団体」なのだそうです(^_^:)
特徴的な図形が描かれた、煙草入れみたいなのを、密かに懐に入れていたようです。

横には音楽家のパイプがあり「ハイドンの胸像形メアシャム製パイプ」は落語の頭山を思わせるような、頭の上から煙が出る面白い形。しかし似たようなのは結構あって、あっちの人はこういう形をへんちくりんだとは思わないのかもしれません(笑)
ちなみに後の二本はモーツァルトとブルックナー。良い感じだし、クラシックの世界も変わりません(笑)

「1900年パリ万国博覧会のオーストリア(レプリカ)」はミュシャが描いたポスター。色白の女性の後ろに、褐色の力強い女性が二重写しにちらちらしていて、いい雰囲気です。
ミュシャは結構好きで、展覧会が開かれないかな、と密かにアンテナを張っているところです(笑)
1878年の万国博覧会では、ここに展示されている彫がとても細かいパイプボウルらが出品されたらしく、これが日本の金工などと競ったかと思うと、なかなかわくわくします(笑)

「水パイプとハレムの女性」は艶美の一言。横の二人の小さめの女の子も良かったです。
ハーレム文化の素晴らしさを感じる今日この頃。いや、この前のテレビのベリーダンス特集は楽しかったですねぇ。
色気っていうのは、元々人に備わっているものですから、それを伸ばしていくのは理に敵っている所があるんですよね。

当時のコーヒーハウス・カフェの再現というものもあって、面白かったです。コーヒーの文化性というのは小耳に挟めば挟むほど広そうで、楽しそうなので、たばこと塩の博物館はたばこと塩とコーヒー(お茶)の博物館にしたら、更に豊かな博物館としての活動ができるのではないかとも思います(笑)

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