モーツァルトピアノ協奏曲 ヴァイル指揮/北ドイツ放送交響楽団 シュタットフェルト(ピアノ) モーツァルトピアノ協奏曲24番ハ短調k491、20番ニ長調k466

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モーツァルトのピアノ協奏曲はとても好きなんですけど、その割には余り聴いていません。僕がモーツァルトの演奏家として一番好きなシューリヒトとハスキルは、片方だけ出演しているナンバーを数えても網羅するには遠いですし、表現の深い内田は繰り返し聴く気になりません(笑)そんなこんなで仕方が無いので適当な演奏を引っ張って来て聴くのですが、やっぱり不満が残るということになっています。この前もヴァント/バックハウスの27番を聴いていたのですが、この巨頭2人にしても不満が残りました、といいますか古典派であるにしてもヴァントはモーツァルトをかっちりやりすぎです(笑)水墨画をペンでトレースしたような演奏で、良くも悪くも笑いの領域に達していたと思います。
そんな中このCDはかなり良いです。k491は特にオススメです。冒頭からして、かなり迫力の有る短調です。ヴァイルといえば私はハイドンの交響曲の録音が印象深いのですが、古楽器オーケストラだったのに既にかなり雄弁でした。そのヴァイルがモダン桶を振っているのですから、実に濃い表現になっています。シュタットフェルト作曲のカデンツァは曲趣に相応しい厳しく内省的な物で、独創的に在りながらもモーツァルトに寄り添っています。
k466の第一楽章はピアノの独奏部がいかにも強く速くやや単調で、寂寥感の不足が気になりましたが、彫の深い音楽であるともいえます。
それにしても、k466のカデンツァはベートーヴェンの物を使っていると書いてあるんですが、どうも違うように聴こえるのは気のせいでしょうか。
第二楽章はヴァイルの指揮が中間部は結構良いですが、最初の方が素っ気有りません。シュタットフェルトはガシガシ弾きながらも表情があって良いです。ジャズとか弾かせたら上手そうです。
第三楽章はかなりの高速です。良く交響曲第40番と推測される交響曲のテンポについて話題になりますが、私はモーツァルトの楽曲は現代の演奏の大半よりかなり速かったのではないかと思っています。丁度このヴァイルの速度位だったのではないでしょうか。馴染まない人も多いでしょうし、演奏自体はもっと色々表情を付けられそうですが、説得力のある速度の一つだと思います。

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