僕は演奏家の作った曲が結構好きです。話題となった白石光隆さんの「大指揮者のピアノ曲」は良く聴きます。シューリヒトの隙のないメロディの構成や、クナのタランテラはらしいなーと何時も思ってはほくそえんでいます。
ちょっと前ふりが長くなるんですけど、あの「大指揮者のピアノ曲」の日本で批評をされたものと海外で批評をされたものを読んだんですが、日本では総じて好評でしたが海外の物では結局は素人芸といった感じの評価でした。この違いは「一道は万芸に通ず」(宮本武蔵)という日本の価値観が大きく影響しているのではないかと思うんですよね。そして、この思想はこの批評のみならず、日本のクラシック音楽の受容の有り方に対して極めて大きな作用を果たしているんじゃないでしょーか。具体的にいうと、欧米より職分的に見る事が無く、優れた音楽家は音楽のみならず、専門性の裏に有る人間としての自力も評価され、それに伴う尊敬が有るように思います。
閑話休題、感想に入りますと、一番の第一楽章はハーモニーと不協和音が折り重なって出てくる所が、変人にして精神的な頑強さを誇ったクレンペラーらしいです。感情に訴えかける部分か皆無なのも予想の範疇で、そういう曲が好きな僕にとっては嬉しい所です。
なんか鷺巣詩郎さんの曲じゃないかって思わせるような場面が結構出てきます(笑)
二楽章は一楽章を遅くしただけのような感じでも有りますが、カーテンのような弦の響きは結構美しいです。中間部も立派・・・というよりこれはやっぱり鷺巣さんの緊迫した局面での音楽ですよ(笑)エヴァは見ていないんでナディアといいとも位しか知りませんけど。
二番の一楽章は堂々とした所とか、メロディが確りしてきて曲っぽくなってきたと思います。
二楽章はクレンペラーらしからぬといいますか、べたつかない抒情性が素晴らしくてとても良い曲だと思います。
第三楽章はホルンが牧歌的な雰囲気を醸し出しています。そこにクレンペラーらしい前衛的で厳しい精神を伴ったサビが入っているのが良い感じです。
第四楽章は一瞬で終わってしまいましたが、明るくて良い曲想だと思います。最後の終わりはクナの英雄を拝借したに違い有りません(笑)
merry waltsはまさに楽しさの極み。クレンペラーがこれを鼻歌で歌っていたらかわいいですね(笑)
以下の曲も面白く、クレンペラーが作曲家としても明確な個性を持っている事を感じます。
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