1月8日東京オペラシティ公開収録「題名のない音楽会」「ウィーンの頂点の音楽会」2週連続スペシャル ウィーン・リング・アンサンブル 後半

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休憩を挟んで二本撮りの第2部は

ヨハン・シュトラウス1世 ラデツキー行進曲 ミヒャエル・ロート編曲

から。この手拍子はいかにもニューイヤーですよね。

色々なワルツがあって、コミュニティの音楽のフルコースのようだ。



ヨハン・シュトラウス2世 エジプト行進曲 ミヒャエル・ロート編曲

では驚きがあると予告する石丸氏。

いきなり歌が流れたのでウィーンフィルにしてもCDを使うのかと一瞬思ったのですが、自分たちで歌っているとのこと。

シュッツ氏はピッコロに持ち替え、キュッヒル氏は打楽器を演奏。

繊細な技で紡がれるエキゾチックな音楽が抜群の味だ。

ワルツを軸に世界一周、みたいな感じがお正月のワルツのコンセプトであるなと感じました。



ここで世界無形文化遺産であるウインナ・ワルツについてトーク。

2拍目が早いというのが一般に良くいわれる特徴。

加えて、ワルツについては普通のワルツは一拍目が強いけどウインナワルツは2拍目が強いように感じると石丸氏。

哲学的に考えるものではない。と団員の答え。

団員には家族もウィーンフィルにいたなどウィーン在住の音楽ファミリーが多いらしく、子供のころから体得しているものらしい。



ヨハン・シュトラウス2世 美しく青きドナウ ミヒャエル・ロート編曲

はワルツを代表する瀟洒な名曲。ホルンのロナルド・ヤネシッツ氏はこれをウィーンフィルで演奏するためにホルン奏者になったとのこと。

奏者同士楽しむように時に目配せするのが印象的だ。

定番曲が繊細さ極まるディティールで楽しく紡がれてゆきます。



ウィーンフィルのニューイヤーコンサートは素晴らしいですけど合奏なので個々の演奏家の表現が消えてしまうのは致し方がない。

それと比べるとこのアンサンブルにはソロ演奏のニュアンスが隅々まで行き渡っている。世界的奏者たちの名人芸がそのまま味わえます。繊細であり、まさに馥郁とした香りだ。

版画と肉筆画の違いのような印象です。

ソロの楽しさとオーケストラの楽しさが詰まっており、いいとこどりをしたようなアンサンブルだといえます。

まぎれもなく現在聴ける小編成アンサンブルの最高峰のひとつだ。

素晴らしい音楽でありながら、名人芸に付き物のナーバスな緊張感も存在しない。まさに極楽といえる音楽でした。ありがとうございました。

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