私は元来曲の選り好みが多くて、暗い曲や分裂している曲は駄目ですし、不協和音耐性も殆ど有りません。だからマーラーなんかは普段全く聞かないのですが、フランクルの「夜と霧」を読んでたらどうしても聴きたくなって、聴いてみる次第です。
シューリヒトらしくないというからしいというか、彫が深くて雄弁な演奏です。
まるで聴かないのでの他の演奏とは比較できませんが、第四楽章の祈りの様な管弦はシューリヒトの個性なのだと思います。
多分これでも結構すっきりしている演奏なのでしょうね。感情の揺れに翻弄されつつも輝かしい音色は非常に魅力的でした。多分愛聴はしないと思いますけど(笑)
アウシュビッツに於ける体験談にして、その心理学的分析の書で有る本書になぞらえれば、マーラーの音楽は収容者の第一段階(収容ショック「激しい感情的反応」を伴う)的でショスタコーヴィチは第二段階(感動の消滅段階)的なのかもしれない・・・というのはややこじつけですか。
聴き終わってから気が付いたんですけど、訃報の報道が多かった事にも僅かに影響を受けているのかもしれません・・・・。
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