リュート、ヴァイオリンとチェロのためのトリオ集 キルヒホーフ(リュート)カルミニョーラ(ヴァイオリン)ガッリジョーニ(チェロ)

#その他音楽

カルミニョーラの特徴は旋律に命を吹き込むのが上手い事だと思います。音の終結を微妙に漸弱させたり、休符の前のフレーズを速めに奏してメリハリを付けたり。楽譜を持っていないので断言は出来ませんが、音符を音符のままでは無しに、旋律に仕立て上げる能力の高さを感じます。明朗で表情豊かで、まさにバロックの申し子の様に思えます。
リュートの響きも素朴で良いですね。楽しい所は跳ねるように奏していますし、ゆるい所ではぽろぽろと儚げで、結構表情の出るものだと思います。
「リュート、ヴァイオリンとチェロのためのコンチェルト」はクロプフガンスという聞いた事も無い人の曲ですが、中々聴かせます。バッハの曲より緩急強弱が有って、凝っているので集中して聴けます。
コハウトの「リュート、ヴァイオリンとチェロのための小トリオ」は流麗な曲で、ヴァイオリンとリュートがお互いを合いの手にする様に、軽妙に書かれています。
ルストの「リュートとヴァイオリンのためのソナタ」は内省的な曲で、解説を読んだらドイツ出身の作曲家だと書いてあったので、それっぽい響きだなと合点がいきました(笑)モーツァルトと同時代の作曲家としては古臭いと言えますが、私はその古臭い素朴さが中々好きです。特に第二楽章は古代のゆったりした時間に身を置いているようで、趣があります。
バッハの「ヴァイス」も最初の二曲位が良かったですが、他の三人の作曲家のものが気に入りました。音楽は心を伝えるものですが、そのために必要なツールは既にこの時代に大体出揃っていたのではないか、と思わせる内容が有りました。

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