ちょっと前になりますが、行って参りました。国立新美術館に無事着いたんですけど、なんと既に二十分待ちだっていうんですよね。もう少し様子を見てみようと、まずは昼食を摂る場所を探す事にしました。屋外で食べた方が美味しそうなので、選択肢としては青山公園と青山霊園が有ったんですが、後者の方が趣が有りそうなので後者へ行ってみました。
分け入って行くと流石都心の一等地の墓地だけ有って有諸有り気な墓が続きます。その中でも一際豪華な、高そうな白石を撒き散らしたお墓が有ったので、誰かと思えば田中久重の墓でした。東芝は危なくとも万年d(以下略
結局私の地元の霊園と違ってまるで無駄なスペースが無いので、気兼ねがして霊園で食べるのは断念致しました。松の木の雰囲気は江戸を思わせましたし、梅の花が玉の枝の如くほんわりと綺麗でした。
昼食後は腹ごなしを兼ねて無料で見られる、上記の三つの展覧会を見て回りました。
高宮宙志さんの「その鐘を鳴らすのは今」が面白かったです。まぁ、台を上っていって鐘を鳴らすだけのものなのですが、周りには展覧会特有の静寂があるわけで、それに小石を投げる本作品は一種の場の芸術だったと思います。意味不明な現代美術(一昔前の?)は私は全く好まないのですが、こういう感覚や場を利用した総合的な前衛芸術はかなり素晴らしい可能性があると思います。
坊田絵美さんの「美少女乱舞」はアニメ風の美少女が大きく描かれた絵で、好感が持てました。こういう消費文化は前衛芸術においては退廃と結び付けられる事が多いですが、背後に描かれている消費者を象徴していると思われる犬は円らな瞳で、実際秋葉原の人たちはそういうものだと思います(笑)
城澤ありささんの「Feeling」が大作で皆さん足を止めていました。ビル群が大きな画面全体におしゃれな感じで林立していているのですが、その窓の一つ一つに感性が込められていて、幻想的で壮大な雰囲気が出ていました。中央にあった緑ともバランスが良かったです。この前情熱大陸で特集されていた建築家の迫さんのビルにも雰囲気が似ています。
三神智子さんの「宇」が誰しもが一度は考えそうな上下左右前後鏡の部屋で、面白かったです(笑)
小鹿香織さんの「まぼろしのたね」という絵本が絵もインディアンの話も良かったです。この方は一般的な人になるのは時間の問題なのではないでしょうか。
抜書展は小倉光代さんの「花の霞」、中田佳子さんの「漱石の句」、畑山年子さんの「尾崎放哉の句」といった所が心に残りました。本当に普通に書いてある書なんですが、結構感動しました(笑)人にもよりますが、女性の書は真っ直ぐでけれんみがない所が良いと思います。
腹ごなし程度の気持ちだったのですが、結局3時間位見ていました。多士済々振りと層の厚さを感じました。幾百の若人の魂が作り出したカオスといえましょう。これらの中の一人でも多くが作品を作って楽しく人生を送れたら良いな、と思いました。
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