小菅さんの演奏はテレビでモーツァルトを弾いている所をちょこっと見たくらいです。その時はディフォルメが強かったので、締まったモーツァルトが好きな私はそれほど楽しめなかったのですが、モーツァルトだからそう感じるだけで、他の曲なら雄弁な表現力に転化するのかもしれない、とも思いました。というわけで半分期待、半分怖い物見たさでリストを借りて来ました(^_^:)
特製のゴールドディスクで、そのジャケットは借り回される間に付いた垢でべとべとしています(笑)どちらも期待の表れと言えるでしょう。
リストの曲は内容が無いという人がいます。私もそう思うことが有るのですが、やはり演奏者によりけりで、小菅さんは無理やり内容を詰め込んでいるようなところが有って、バランスが良いです(笑)
第一曲の「前奏曲」からして力強いです。タイプ的には全体として推進力がある、という感じではなく、一音一音の力の強さで勝負しているような所があります。
「鬼火」は音量が終始控え目で、砂漠で蜘蛛が這っている様な、良い演奏です。
「英雄」なんかも跳躍の繰り返しが堂々としていて、華麗です。
「マゼッパ」と「回想」がどちらも多彩です。高音部を弱く弾いていたりしていても、音に存在感があります。
やはり、内容の詰まったリストになっています。小菅さんは濃い表現が出来る、良いピアニストなのではないでしょうか。
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