時事ネタ二題

#その他音楽

報ステでやっていた、ピアニストの辻井伸行さんは良かったですね。自ら作曲された「川のささやき」の左手のころころした感じが良くて、これがこの人の個性なのだと思います。逆にベートーヴェンを弾いている時でもこのころころが聴こえる様で、ちょっと軽いかな、とも思いました。しかし、どんな曲にも向く特性を持った表現者など居ないので、個性を伸ばして頂きたい所です。

それにしてもさっき、いけべえ先生の番組でやっていたシェレンベルガーのモーツァルトの第40番。半端じゃなく、良いですね。テンポが自然で、ニュアンスが最高でした。指揮の一挙手一投足に込められたものが、私の思い描いているモーツァルト像に近くて、素晴らしかったです。他の音楽にもそういう所はありますけど、特にモーツァルトはピアニッシモが良くないと駄目だと思うんですけど、そこら辺が非常に意識化されていた指揮ぶりだったと思います。
往年の巨匠には無い、古楽器的な速度は小気味良いですし―――これは多分にその人の感性に属することですが―――何よりも縦の線の自然さが良かったです。これはテンポを保っていれば出る、といった類のものではないんですよね。
いけべえ先生は「やりたいことがたくさん有る感じ」、といってらっしゃいましたし、確かにそういう内容なんですが、この自然さが私は好きでした。
今まで聴いた中でも、相当良いのモーツァルトでした。アーノンクールと比べても、指揮者としてのネームバリューは天と地ほど違いますが、シェレンベルガーを圧倒的に私は好みます。
第三楽章だけ、ちょっともっさりし過ぎていたかもしれませんけど。第四楽章も、ダイナミクスが控え目で、やや大人しかったかもしれませんが、テレビの演奏をここまで集中して聴いたのは久方ぶりです。意志に忠実な手兵が出来たら凄そうです。

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