パガニーニ ヴァイオリン協奏曲第1番 シュポア ヴァイオリン協奏曲第8番 ハーン

#その他音楽

最近色々な雑誌が廃刊になったりしていますが、やっぱりそれぞれ雑誌の特色というのはあるものです。廃刊になった雑誌のコラムを他の雑誌が吸収するということが有りますが、同じコラムでも、雑誌が変わったりすると、隨分違う印象を受けることがあります。外身との相性だと思うんですよね。
そういう視点も併せて、良い意味で、新潮45の宇野先生の記事は何時も面白いですね(笑)「宇野功芳さんが好きですよ、という合図なのだ。」とか、いくら何でも幻想郷での出来事だったのではないかと(爆)それにしても、あのお年であのテンションの文章は、尋常では有りません。75歳以上で最も若者の嗜好に影響力のある人間ではないか、という噂も有りますが(無いかも知れない)あながち、過大なことではないかも知れません。
それにしても、どうやら私はハイドシェックは行けない雰囲気ですので、レポを書かれる方がいらっしゃいましたらお待ちしています(^_^:)

レコ芸は平林さんの本の寸評でしたね。レコ芸は近所の本屋で置く所が少なくなってきているので、実は先月号は見逃してしまいました(^_^:)片山さんのコーナーが「博覧響記」にタイトルが変わっていましたけど、分かりやすい一方で、少し気にもなります。片山さんは知識で押して行く評論家に見えますけど、その本領は耳の良さ、感性の良さに有ると思っています。そこらへんが上手く伝わらない題名の様な気もします。また片山さんの最大の素晴らしさは、作曲家と向き合う真摯な姿勢に有ると思っています。単なる知識の為の知識では無く、そういった作曲家と向き合うことの繰り返しで自然に醸成された知識であるという事が、上手く伝わったら良いと思っています。いや、主観的な話ですけど(笑)

作曲家と真摯に向き合うヴァイオリニスト、といえばハーンですが(やや無理矢理)このCDは本当に良かったです。
何か良く分からないけど、集中して聴いてしまう演奏です。その秘密を本人が語っている中から、無難に言葉にするとすれば、やはりヴァイオリンが歌っているということでしょう。
これはスラーがどうとかという話ではなくて、緊張感の持続やニュアンスの一貫性に宿っているものだと思います。スタッカートにレガートと、雅に表情を付けていく様は優しい感じですし、自由な表現には、民族舞踊を踊る少女が時におどけて、相好を崩すような雰囲気があります。
パガニーニの協奏曲は、弾き手が良ければ良いほど、劇的に違って良く聴こえる協奏曲の様です。

指揮の大植さんは推進力のある音楽で、きっちりサポートしています。
日本人の有望な指揮者といえば大野和士ですが、彼の整った響きに対して、大植の音楽には禍々しいとも形容出来そうな力があります。
大植さんは朝比奈隆亡き後の大阪フィルのシェフという、極めて難しいポストを任された人ですが、普及活動でも音楽面でも本当に良くやっていると思います。特に前者は実に素晴らしいです。

シュポアのヴァイオリン協奏曲第8番は、インターバル無しの三楽章の曲です。彼は15曲ヴァイオリン協奏曲を書いていますが、この曲だけが150年の風雪を耐えて生き残ったのだそうです。
一楽章なんかマイナーな雰囲気だな、なんて思ってしまいましたけど、耳慣れないだけかもしれません(笑)第2、3楽章では所々に面白い旋律が散らばっていて、結構楽しかったです。

土俗的で繊細な庄司さんに、歌心があって玲瓏としたハーン、と比べるととてもよい具合で、対照的で楽しいですねぇ(笑)

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