PUNCTUM 庄司 紗矢香 展

#その他芸術、アート

行って参りました。
絵の展覧会だと思っていたんですけど、それぞれ庄司さんの演奏をヘッドフォンで聴きながら絵を見る趣向で、現代美術の展覧会です。

「プロコフィエフ:ソナタ2番第4楽章」は絵だけで観ると、良く分からない生き物っぽいのが並んでいるだけですが、音楽を聴くと一変。二匹のクリオネのような生き物が、かわいらしく回って舞い始めます。一見晦渋にも見える絵が、こんなに瑞々しくなることに驚きました。

行く前は正直、余技なのかな?と思っていたんですが、これは庄司さんにして可能な新しい世界だと思います。曲目やインタビューを見ても思うんですけど、思いっきりクラシックで革新的な人なんですよね。

「風 リゲティ:協奏曲第3楽章冒頭」は海岸に女性がいるのですが、その表情はぼんやりと悲しみの中間のようなものであることが、音楽から伝わってきます。
下半身がお化けの絵みたいに、くにゃくにゃしているのですが、それがヴァイオリンの音色と共に、魂そのもののように震えます。
この絵に限らず、庄司さんの絵は曲線的な所がありますが、これが良くヴァイオリンと共振します。

「遠くから ブロッホ:ソナタ1番2楽章 "Lontano"」では、音楽を聴いた瞬間、瓦礫のような塊が、一気に古城の風格を帯びます。

「9度の歯車 ブロッホ:ソナタ1番2楽章冒頭」は女性の水浴びのような絵ですが、音楽によって、艶めかしさ、神秘性が絵をおおいます。鍾乳洞を分け入ったら見てしまった、といった感じで、受ける印象はかなりエロティック。
庄司さんの演奏は、どちらかというと内に秘めた感じですが、その基礎にはこういう大胆さもあるのかもしれません(笑)

小さな空間ですが、ファンの方でなくとも、とても楽しめる展覧会だと思います。多彩で嬉しいですね(笑)

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