プティボン フレンチ・タッチ

#音楽レビュー

プティボンのフランス系の曲を集めた、CDです。
ぶりっ子っぽいポーズが印象的なジャケットで、一見お菓子系のCDですが、CDが出た頃のプティボンは既にアラフォー。目を大きく見開いた表情は、良く見ると、何か文句ある?、といっているようにも見えます(笑)
もちろん、文句はありませんし、この時期は女性の魅力の一つのピークといえましょう。

アマゾンを見ると、ハスキルが好きな人が評価していますけど、根っこの清澄さという点では共通しているかもしれません(笑)

1.「私は夢に生きたい」から、相変わらす高音域でキンキンしない所が、プティボンの好きなところです。
2.「まだ少女だったころ」は回想している歌みたいですけど、優しげで良いです。中音域が中心の曲ですが、豊かでかつスマートな声が良いですねぇ。

3.「わたしには恋人が二人いる」は男を馬鹿にしつつも、男好きの曲。男の仕事は馬鹿にされるところにあるのかもしれません(達観)
5.「おいで、マリカ…ジャスミンとバラの〔花の二重唱〕」は風景の美しさを愛でる歌詞ですが、その感動が嫌味の無い声で音になっていきます。
この曲集を通して、劇的な場面とかではなく、中間色の場面が良く選ばれていると思うんですが、そこら辺での澄んでいて細かい芸に、バロックで活躍する歌手であることが表れているとおもいます。

6.「若い娘はどこへ行く」は所々にあるah!が、美しさの限り。聴いていて何か、軽く暖かくなるような声なんですよね。声を出しただけ、全て伝わるような歌です。

8.「私が女王様のように路を行けば…彼らの声が甘い恋に誘う時」は女王様の曲。若さを讃える覇気が素晴らしいです。
前のCDの感想に、踏みつけられるような喜びがある、と書いたんですが、あんまりなので投稿前に消してしまった、ということがありました。もう少し鍛錬して、あっさりとこういう事が書けるようになりた・・・(以下略

9.「心優しき娘よ!」はシンデレラに語りかける妖精の曲。邪心の無さそうな声で(多分)優しさと希望を歌い紡ぎます。

10.「小鳥はあかしでの茂みに」は自然を賛美するような曲。難しい曲ですけど、おどけた地声を大胆に織り交ぜつつ、歌っています。
遊んでも嫌味にならないのが、この人の力です。度胸が素晴らしいです。
11.「美しい夜、おお恋の夜」は夜に沸々と燃え上がる恋が、目一杯ひそむ様に表現されます。

12.「星のロマンス」は星に歌いかける曲。野望と不安を投げかける感じが、中々良いです。

13.「ようやく気分が良くなった」からは変化自在で、遊びまくりです。
14.「あの厚かましい男が急に意地悪い」は男をひたすら罵りつつも、それが好きだという、攻めと受けが高度に融合した曲。表情をくるくる変えながら、ハイテンションで貶し続けます。
15.「愛している」も表情の変化が激しい曲。この表情の変わり身の切れ味も魅力です。愛を色々な調子で歌います。

何か変な物が入っているチョコレートといいますか、そういうCDだと思います。しかも素材そのものは、素直でとても良いという・・・。

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