上野松坂屋 第54回 現代書道二十人展

#その他芸術、アート

あけましておめでとうございます!券を頂いたので、今年も行って参りました。

ニューイヤーコンサートはプレートルの指揮はやっぱり良かったですね。ワルツにしては音に躍動感というか生きもののような感じがありすぎる気がした位で、本格的な指揮者だということでしょう。ワルツの二大大家?のクナとボスコフスキーの中間といっても良い位かもしれません。
直前に再放送された二十年前の幻想交響曲も落ち着きの中に感興極まる良い演奏でしたけど、今日観ると進化している感じはします。マリア・カラスと共演していた人がここで円熟を迎えているのは、なかなか不思議な感じがします(笑)

所で展覧会のほうは、最近書を見ているだけで、かなり楽しいということが分かってきて、結構楽しみにしていました(笑)

星弘道さんの「白雲一片去悠悠」(以下略)は簡潔な字に、余白を支配する力があって、字に回りの白い部分が吸い込まれるような感じがありました。
「和暢」も見事な書。凛然とした縦画と歪んだ横画の取り合わせが良く、飛沫の具合も嫌味な位にぴったり決まっています(笑)

日比野光鳳さんは自在で、正統派の意味で非常に上手いと思います。
高木聖鶴さんはとにかく筆速の疾さを感じさせる書で、ブルーエンジェルスの飛行機雲を思い出させました(笑)

池田桂鳳さんの良寛の歌は字も破調。書とはなんだろう、と考えさせられるくらいの作品ですが、細い線を有機的に書き切る力があれば、それはそのまま書になるのではないかと思いました(笑)

今回は良寛さんブーム(多分)。数えたうちでは取り上げた人は四人。中でも「天真」の語を引いていた人が二人いらっしゃいました。

白川静さんによれば、中国の百家争鳴の時代は、前時代の礼教的文化の崩壊の後から始まるそうです。
日本も戦後色々な思想がぽこぽこと出てきて、今なお混迷している感じですが、結局は日本伝統の「天(真、命、心)」の思想に帰ってゆくのではないかと思います。
そしてそこに帰る為に社会全体が、ゆったりとうねりを上げている。その先っぽにこの書の展覧会の傾向があるのではないかと感じました。

トリの土橋靖子タソは美の壷に出たり活躍されていましたが、今年も優美極まる筆致。「桃花雨をふくみて開く」の墨を付け足して書かれた開くが、まさに水分を含んでぽっと開いた様で、素晴らしかったです。

この展覧会は出口の売り場が楽しいのですが、今回は筆を一本買って帰りました。まだやっていますので、どうぞどうぞ。

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