アランフェス協奏曲の二回目の録音です。
一回目の録音の記憶は既におぼろげなんですが(笑)こっちのほうがゆっくり表情を付けている気がします。それでいて少し明るい感じもします。
第二楽章は極めてスローテンポで所々止まりそうです。
ガリシア交響楽団の音がこれでもかとスペイン情緒(多分)を強調していて、民族が持つ音が好きな私としては喝采を送りたい所です(笑)速度をぐっと落としては、感興極まり、すすり泣きます。
一回目の録音の指揮者であった山下さんの出した音は、インターナショナルな方向だったんだなぁ、ということが分かります。
爽やかな第三楽章もぽつぽつと語ってゆきます。村治さんの肉声の語りかけが聞こえるようで、ファンとしては嬉しい音楽だといえるでしょう(幻聴)
「ヒラルダの調べ~セビーリャ幻想曲」は、最初はほの暗い感じで始まりますが、後半の三拍子でじゃかすかやっていく音楽が素晴らしく愉しいです。伝説と祭りの都セヴィリア、を描写しているのだそうです。
「ある宴のための協奏曲」の第一楽章は9:00辺りの高音域をゆっくりと上がったり下がったりする、木管の感傷的な雰囲気が良いです。この落ち着き払った上り下りは、他の楽器でも、ロドリーゴに特徴的に良く出てくる様です。ギターは暫くワキに徹しています。
アランフェスのような際立った爽やかさはありませんが、込められた情感には劣らないものがある曲だと思います。
二回目の録音であるということが、とても強く意識されたアルバムだったと思います。民族的な音色・情緒が濃く練りこまれていて、それは村治さんの録音の間の人生から零れ落ちた雫なのだと思います。
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