東京国立博物館 平常展

#その他芸術、アート

特別展の半券という割引券を生かすためにも、行って参りました。
「如来坐像」は相変わらず、素晴らしいです。展示期間がもう少しで終わってしまうのが、なんとも名残惜しいです。(最近復活したので、とても嬉しいです(^_^))
今回心に響いたのは朝鮮の「菩薩半跏像」。自然であり、柔弱であり、思慮深く、普通のおじさんの様でもあります。
最近鈴木正三の話しを読んでいたら、仏教は仏像に習えと書いてあって、まぁ、それ以前にもあった考えだと思いますけど、こういう仏像を見ると、その通りだな、との思いを強くします。

「広目天」は戦場を吹きすさぶ風の表現。腹の顔のとぼけた味。と素晴らしく、気高くも分かりやすさもある仏像です。

再び、いわゆる、「流転の運慶仏」もあって、ぺたんと落ち着いた腰が綺麗で、印の握りの浅さに余韻がありました。仏像彫刻は最強の名無し師達によって支えられている分野ですが、運慶はやはり流石。

ここで予約をしていた「TNM&TOPPANミュージアムシアター「 故宮―紫禁城 天子の宮殿―」~皇帝の空間に 今、降り立つ~ 上映 」に。
45分でしたけど、短く感じたので、面白かったと思います。

長次郎の「黒楽茶碗 銘 尼寺」は整いつつも歪な茶碗で、時代の半歩先を行っている感じが、とてもします(笑)へうげもののBS漫画夜話をたまたまちらっとみたら、夏目房之介さんが利休の侘びが庶民によってフォーマット化される過程を描くのが上手い、と贊嘆していましたけど、どこの分野でもフォーマットと芸術の追いかけっこは永遠に続くに違いありません(笑)

刀剣コーナーはただ解説を見て眺めても、先入観があるので、ぱっと勘でこれが一番良い刀かな、と選んでみてみると、国光という作者のもの。太めで反りが浅目の良い刀でした。

「菩薩立像」が衝撃的な作品で、なんとも人の良さそうな大きな頭をしてる仏様で、その表情はまさにアルカイック。

黒田家の頭が四角な、特徴的な兜も実見できました。
付竹弓はあほかと思う大きさで、これは実際に使えたのでしょうか・・・。
土佐光起は細くたなびく草の描写が見事。抱一や其一に共通するもので、これができれば画家として飯を食べて行けそうな感じです(笑)

宗達・光悦の蓮下絵は厚ぼったい宗達の蓮がたまらないです。このシリーズですとか、関東大震災で消失したものは数多知られますけど、江戸の火事でも盛大に文化財が消えたのでしょうか・・・!?

国芳の無駄書きシリーズは初めて実見。規制を逃れて落書きを装って描いたものですが、形式に捕われていない分、意外と役者の生々しい息遣いが伝わってくるように感じました。ただ写すということでいえば、国芳の西洋画志向とも、相性の良いシリーズだったのかもしれません。

「四条河原図屏風」は女性の舞が素晴らしく、こういう風俗は残っていないんですかねぇ。
曽我蕭白の「牽牛花図」&「葡萄栗鼠図」は僅かな描写の中に蕭白の無手勝流と、白紙に墨をぼとりと置く緊張感がありました。

お楽しみの根付は「饅頭形十二支牙彫根付」はアラベスクのように動物が組まれている、細かさが凄まじい根付。「羅漢」が慣れが素晴らしい、極悪な顔をした根付で、多分、羅漢は極悪人っぽく描く、という流れがあるんでしょうねぇ。

これで三百円というのは素晴らしくて、極楽でした(笑)

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