続いて行って参りました。
絵では「バタヴィアの眺め」が町があって、その裏に山があって、その上に雲が悠々としているという、単純ですけど、なかなか良い絵。
「ワインボトル」は江戸の下級武士の家の遺構から見つかったらしく、どうやら飲んでいたようです。やっぱり、安ワインを仰いでいた、というやつなのでしょうか?!
オランダといえばシーボルトで、半ばシーボルト展です。「眼科手術器具」は1823年にシーボルトが日本に持ち込んだ手術器具。西洋の眼科、といえばこの70年くらい前に、バッハとヘンデルを手術失敗で死亡させた、藪医者が浮かぶのですが、シーボルトの医学は最先端の立派なもの。・・・・・と思ったんですが、横には「瀉血手術図」なる、切って血を出すことで治療する図が。切られた人のすぼめる口が、痛そうです。書かれてはいないんですけど、非科学的で出血多量で死ぬことが多かった治療法なのだそうです(__;;)
シーボルトの弟子には捕まった人がたくさんいますが、日本の事を海外に知らせたい、という志が篤かったので、捕まるのを覚悟でシーボルトに協力したそうです。
シーボルトの帰国後の活動。ライデンに残っているコレクション・研究は、それに応えたものだと言えるでしょう。
ところで、前に聞いたんですが、近江商人には、志が低い人は信用するな、という教えがあるそうです。こせこせするので、信用できないということだと思うんですが、現代では地に足のつかないものと思われがちな志というものが、横の繋がりの基本的な所を支えていたんだな、と驚いた記憶があります。
ということで、最近話題に上る「新しい公共」ですが、それを構築して行くにあたっては、健やかな意味での志を育てるような社会を、一番の基礎として、目指してゆくべきではないかと思います。
ちなみに、ここ15年の「普通志向」のマイナス面として、日本の無縁社会化を促した面があるのではないかと思います。
それにしてもこの頃の医療では、病気を治すのも大変だったと思うんですけど、現代でも風邪を引いているはずなのに、テレビでてきぱきと、的確に話を捌いている人などを見ると、本当に感心します。おだいじにしてほしいところです(笑)
映像室でやっていた川原慶賀の映像もなかなか面白かったので、気軽に、どうぞどうぞ。(会期は過ぎたみたいですね)
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