出光美術館 日本の美・発見III 茶 Tea ―喫茶のたのしみ― 後期

#その他芸術、アート

券を頂いたので、後期も行って参りました。

「邸内遊楽図屏風」は日本のお家芸の被り物文化が炸裂していて、面白かったです。
焼き物は今回は「伊賀耳付花生」が、立っている姿が埴輪の様で、にじみ出る迫力を感じました。
輪郭がざらざらしていて、使って、手を切ったら本当に痛そうだな、と思いました。

「色絵梅樹文水注」の解説によると、柿右衛門は西洋の茶器に影響を与えたらしく、多分、あの白い雰囲気なんかがそうなんでしょうね。柿右衛門自体は明の宣興(ぎこう) 窯から影響を受けているのだそうです。
こういうのを観ていると、茶道の東洋性というのを強く感じます。「茶の本」を書いた岡倉天心は「東洋の理想」という本を書きましたが、白川静さんによれば、原題のEastを東方ではなく、文化性をつけるために 東洋と訳したのだそうです。
そう考えれば東方Projectというのは、その東洋を再び地域名称に戻すことで、文化とも言われないような、より重要な原文化。民俗を包摂し直した形で東洋を再構築しようとする運動であると、言えるのではないでしょうか(恐らく)

真面目な話、東方をみていると、白川静さんの「しかしわれわれの中に、再び神を呼び戻すことは、不可能であろうか」(中略)「だからわが国の神道というものが、もし本物であるならば、これは日本が世界に貢献しうる一つの道であるのではないか」(文字講話Ⅰ 253ページ)という言葉が、頭の中でこだまするのです。
東方は日本古来の、自然に対する感性と、宥和性を確かに備えていると思うのです。

「山市晴嵐図」はやっぱり良い、フルーツな感じの図。東山御物以来の伝来がたくさん書かれているものでもあって、この伝来とは一体なんなんだろう、と思っていたのですが、西洋のクラシックなんかいでいう、鑑賞の歴史みたいなものを表しているのではないかと思いました。
観られることによって作品は成熟していくもので、それは洋の東西を問わないのではないかと思いました。

夢窓国師の「林和靖梅花詩」は、やはりさらっと書かれた感じの書。早い時期から臨書されていたそうで、やっぱり嫌味のない抜けた書といいますか、そういう感じはします(笑)

あんまり触ったことがないんですけど、堆漆作品の質感が、良かったです。黄楊といますか、堅さと柔らかさを同時に感じるような気がします。「堆黒双鳳文食籠」の彫琢ですとか、流石中国と思わせる手間と丁寧さで、素晴らしかったです。

美しくて人が群がっていたのは「筒井筒蒔絵硯箱」で、こういうのは文房具としては使い難いですかね(^_^;)

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