出光美術館 日本の美・発見IV 屏風の世界 ―その変遷と展開― 後期

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行って参りました。

最初の解説では屏風の鑑賞と折り曲げる角度の話が。あんまり気にならないんですけど、「業平東下り図屏風」は屏風の立体性が、富士のとびでる迫力に一役買っている屏風。やっぱり折角ですから、媒体を生かしていると感心しますよねぇ。背景が金地のみなんですが、東下りの地に足の着かない雰囲気を出していて、これも効果がありました。

能阿弥の「四季花鳥図屏風」は牧谿風のぼんやりとした、はるかな力強さが味わい深いです。蓮の勁さには、宗達に連なるものを感じます。
伝雪舟の「四季花鳥図屏風」は輪郭がくっきりとした、中国風の絵。松のうねり方が非現実的で、永徳に連なるようなものを感じます(笑)芸術が先で、現実は後、といった感じの絵師ですね。

「天神縁起尊意参内図屏風」は、グミを梳いた様な波が面白かったです。
「宇治橋芝舟図屏風(右隻)」は背景ではなく、橋や船が全て金で描かれているという、桃山時代らしい豪奢な作品。岩佐又兵衛の「三十六歌仙図屏風」も上だけ巻物風の変わった屏風でしたが、作品の一つ一つに発想があって、楽しいです(笑)これは日本美術の特徴といって良いのではないでしょうか。

景観図の一群もなかなか。「曽我物語図屏風」では戦っている場面が描かれているのですが、もろ肌を脱いでいる人が多く、鎧を付けている人も素肌に付けているようでした。暑いのでその気持ちは良く分かります?(笑)
前にミス・インターナショナルで、素肌に鎧をつけて話題になった人がいらっしゃいましたけど、ミニスカサンタと並ぶ日本発の前衛ファッションとして、世界に売り出したらよいのではないかと思います(笑)

とても面白かったのは「江戸名所図屏風」。歌舞伎が盛況しているんですけど、これは、女歌舞伎ですね。浄瑠璃のちょこんと人形が並んでいる感じも面白かったです(笑)道でも人形を遣っている人がいて、観客はみんな女性ですねぇ。
「洛中洛外図屏風(舟木本)」ですとかと比べますと、一目見て、なにをやっている人か分かる物が非常に多かった気がします。
猿回しを娘を肩車しながら観ている親子が、一番微笑ましかったです(笑)

池大雅の「十二ヶ月離合山水図屏風」は樹木を彩る点描が瀟洒。
蕪村の「山水図屏風」はぶきっちょにみえるぼかしや、点のような鳥から心が伝わってくる作品。

なかなか、屏風の良さに浸れた展覧会でした。ありがとうございました。

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