行って参りました。
無事サントリーホールに着いたのですが、当日券を求める列が非常に長かったので、まずは夕食を。食べ終わってみると更に列は伸びていました(^_^;)
無事p席を取ったんですが、館内はほぼ満杯で、驚きました。これは宇野先生が取り上げるようになったからですかね(違(多分
一昨日は辻井伸行。前日も神尾さんですから、サントリーホールは大盛況ですかね(^_^)
ただ、細かいですけど、サントリーホールのホームページでは「庄司紗矢香ヴァイオリン・リサイタル」と銘打たれているのですが、ちゃんとデュオ・リサイタルと書いたほうが良いのでは。
しょっぱなの第2番は初期の作品で、とりあえず、楽しげな宮廷音楽風。
相方のピアノのカシオーリはやる気のなさが前面に出ていて脱力系。体重がやたら後ろに乗っている印象です(笑)
ただ音楽性は、やはり確りしていて、ニュアンスはなかなか瀟洒。畳み掛けることもできるのですが、「クロイツェル」の第1楽章ですとかは、平静さがマイナスになっていたかもしれません。
職種は違いますけど、印象が前回のウィグルスワースに似ていて、同じ様な人を伴奏に選んでいるのかもしれませんね。
第2楽章では前奏を庄司さんが聞き入って、曲に入って行く雰囲気で、二人の音楽作りが伝わってきます。
このカシオーリを下地に庄司さんが暴れるのが基本のようで、この楽章は哀切極まる躍動感が中々でした。第3楽章も淡々とし弾くカシオーリの上空をぎゅるぎゅると旋回して、威力を発揮します。
第5番「春」は、最初の有名な旋律に庄司さんの、伸縮してかつ強靭な有機性を持った音楽性が良く表れています。
特に第4楽章はカシオーリも含めて、お互いの音楽性がよく呼応していて、素晴らしかったと思います。
ここで休憩時間。ホールの中をぶらぶらしていると、お姉さん達が「もっと巧かったよね」「気が乗っていないよね」と噂話を。庄司さんのこととも限らないし、テクニックの細かいところまで断言は出来ないのですが、ベートーヴェンの音楽との間に微妙に噛み合わない所はあったと思います。
ベートーヴェンの音楽は気合が入っているんですけど、いわゆる、巨人巨火を掲げて荒野を行く、といった趣で、気迫のあり方が粗野な所があるんですよね。それと比べると庄司さんの集中力は密度が高過ぎて、もっと雑然と弾いたほうが良さそうな所を突っ込んで弾いてしまったり、逆に繊細さが必要な所では、普段の突込みを欠いていたと思います。
一連のツアーの最後ですから、疲れもあったのかもしれません。
最後の「クロイツェル」は作曲者の個性が強いだけあって、そういうマイナス面もありましたけど、のめりこみ過ぎない哀切感がなかなか。その上で瞬発力があります。
アンコールの第8番の第2楽章も、豊かでとても上質でした。
最強の再現芸術に求めうる、異次元の素晴らしさは無かったと思いますが、とても優れたベートーヴェンだったと思います。おつかれさまでした。
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