将棋世界2月号

将棋

将棋世界2月号では、森内竜王が竜王戦を解説。渡辺竜王は序盤・終盤が強いので、中盤を長くしようと思って指したとのこと。そういう戦略があるんですね。

やはりこれは相手の強みを封じる戦略です。また、棋風そのものも相手を封じる技術を持っているので、渡辺元竜王は何重にも力を出せなかったのでしょう。

しかし中盤が微妙に穴だ、という観察眼も流石といえます。

「イメージと読みの将棋観・Ⅱ」では「高野山の決戦」をトッププロが解説。升田九段の観戦記のように、楽勝だった、というような形勢ではなく、二転三転した上にたどり着いた悪手が出た局面に至ってもまだ複雑であるとのこと。

私も、2三桂から詰みます、という解説を聞いて、へーそうなの (´・∀・`)と、思ったことがありましたけど、あれだけ持ち駒があってもギリギリなんですよね。

升田九段はこれに敗れて酒浸りになったとのことですけど、楽勝だった、という観戦記には、まだ俺の方が強いというか、そういった「物語」を作りたいような気持もあったのかもしれませんね。そこら辺が升田九段の弱さであり、ある種、多くの人に人気があった理由でもあったのでしょう。

その一つ前では大山対羽生戦で、羽生さんが劣勢にしてもまだ難しい局面で投げたものを。

確かに不利なんですけど、アマチュアならいくらでも逆転するでしょうし、プロ的にも何とか一粘り出来そうな局面であるとのこと。

羽生さんは、プロフェッショナルでもそういう話をしていましたけど、先輩の姿勢から学びたいという意識がすごく強い人なんですよね。

この投了も、先輩から古典的に完成された技をもって負かされた、という事実を残したいがため、という部分もあったんじゃないかと思うんですよね。そこを目指して自分も鍛錬していこう、という気持ちにさせてくれることが尊かったのではないでしょうか。

若さを利して引っ掻き回せば、もしかしたら逆転できるかもしれないが、(自分の成長のためにも)そのような棋譜を残すことを良しとしなかったんでしょうね。

そしてまさに、大山十五世名人の技術は、それにふさわしいものだったといえるでしょう。

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