そのまま展示解説会に入り、以下は記憶違いもあるかもしれませんがその書留をもとに。
この日の趣向は茶道史の中の伊万里、というのが一つある模様。茶道の世界で新興の伊万里は常に格式が低かった、とのことですが、特に初期は技が稚拙だったのもあるみたいです。
伊万里は最近まで日用雑器扱いで、かつての文化力の高さを示しているといってよいと思います。その市場の評価と実質のギャップを突いたのが、中島誠之助さんの伊万里の売り込み攻勢で、今後こういうことをはなかなか難度が高いのかもしれません。
「染付 兎形皿」は兎が丸まった形でお皿になっているもので、非常に洗練されたデザイン。兎の輪郭に沿ってお皿になっているので、丸のようで真ん丸ではなく、このようなものは日本独特であるとのこと。他の変形皿なども海外ではないそうで、このようにヴァリエーションがあるのは茶道の影響が強いのだそうです。
「染付 染付透彫網紋 三足香炉」はきれいな透かし彫りですが、全くひびが入っていないらしく、技術の高さがしのばれます。
「瑠璃釉金銀彩 藤花文 三足香炉」は丸いのがかわいい、とのこと。
「染付 鳥形香合」など動物を模したものも多いですが、これは中国の影響であるということを、午後の解説会の人がいっていました。
「染付 唐草文 人物紐茶入」は蓋のつまみが人型で、こういった遊びは古田織部の影響であろうとのこと。当時無名だったといわれていますが、やはり影響は多きいんですね。
こうやって見ていくと、利休がいて古田織部がいて、小堀遠州がいて、金森宗和がいて、と茶道というのは豊かな方向性を持った文化だなと思います。
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