「「百物語 こはだ小平二」」は化け物ですが、オランダの解剖図を基に描かれているとのこと。あれ、たしかNHKの「額縁をくぐって物語の中へ」の国芳の「相馬の古内裏」の回で、国芳が解剖図に基づいて描いたのに対してそれに基づかない昔の絵を仮にはめ込んでみるとということで合成されていたのがこの絵の骸骨だったような・・・?
「渡辺の源吾綱 猪の熊入道雷雲」は解説にはありませんでしたが、その国芳の影響を受けて描いたと思われる最晩年の強烈な武者絵。
「護国寺達磨略図」は巨大達磨を描いた時の北斎直筆のメモ。本物はなくなってしまったみたいですが、俵三俵の先に箒をつけて描いたとのこと。
「「人物絵手本」 墨絵一面 天保年間(1830-44)頃」は踊り手の手が羽になったかのようなものすごい角度が印象的な作品。
写楽展で、手の角度が不自然だ、というような解説の指摘がありましたけど、北斎の影響かもしれませんし、実際こういった角度で人が動いていたのだろうとも思います。
「「書名不詳版下絵」 紙本墨絵3冊 文政中期-天保4年(1823-33)頃」は北斎の版下絵集ですが、超細密な名画が山のようにまとめられています。
これはぜひネットで公開するなり出版してほしいところ。北斎漫画よりプロ的なすごい画集になるでしょう。それともどこかですでにみられるのですかね?
北斎のメモといえば、古今の名作を写したものがあったのだが、火事で焼いて空しくなってやめてしまった、という話がありましたが、これもこんな感じで残っていたらなぁ、と思わせます。
「「葛飾応為 三曲合奏図」絹本一幅 弘化年間(1844-48)頃」は今回唯一の北斎以外の作家の作品、、、、、、との体面ですが、おそらく本展の中でも応為の絵が紛れ込んでいたことは必定でしょう。
波のようなリズムがまさに音楽を感じさせる素晴らしい作品です。
最後にはその応為と北斎の風景を弟子が描いた有名な図が。
日蓮宗を信仰していた北斎は蜜柑箱の中に常に日蓮像をを安置していたとのこと。このものすごいバイタリティも、日蓮の薫陶があったのかもしれません。
北斎展ということで、当然今まで観たものも多かったですが、やはり状態は良好。当時流行のベロ藍が冴え冴えとしていました。
エネルギッシュで超濃厚な世界の中に日本文化を感じることができました。
三回分まとめて御礼申し上げます。また開いてほしいです。ありがとうございました。
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