新春からNHKの法律相談は「相続税対象者1.5倍に 増税スタート」(http://www.sankei.com/economy/news/150101/ecn1501010012-n1.html)をやっていましたが、一日死んだ日が違うだけで全然違うので悲喜こもごももあったことでしょう。
番組ではそういうことは言っていませんでしたが、たとえば、都心でお年寄りをみて二人暮らししているような人が、お年寄りが死んだ瞬間、相続が払えなくて家を追い出されるような事態が起きるのでしょう。
一方で生前贈与の枠は拡充。つまり現金をたくさん持っている人に有利な税制であって、大企業優遇の一環であるのだとおもいます。
主に困るのは都心に昔から住んでいるような零細な人たちであって、ディベロッパーに再開発をさせやすくさせる狙いもあるのかなと思います。
「異国文化と江戸情緒「ブラタモリ 三田・麻布」」では陣内秀信教授が、東京は高層ビルがある一方でちょっと外れると小さい家がこちゃこちゃあるのがバランスが良い、と語っていましたけど、このこちゃこちゃした部分が根こそぎなくなる可能性があるでしょう。
西洋は隙間なく建物を建てる。庶民が庭を楽しむ文化はなかった。一本松がランドマークになっているなんて、都市ではありえない。
東京は巨大な田舎、ということで街中に鳥だったり亀だったりがいるところは他の都市にはない、それに惹かれてそういったものが残っているところに外国人たちが集まってきていてる、とのこと。
これらはそういったこちゃこちゃした所にあるものであって、今回出てきた蝦蟇池も危ない、もしくはそれに連なるような自然遺産も危なくなります。
こういった東京の長所であり特色を、地味ながら消し去ってしまう、大きな分水嶺的な政策なのだと思います。
大名庭園を受け継いだイタリア大使館の人が言うには、日本は雨が多くて庭の手入れに手間がかからないのでうらやましいとのことで、こういったことを利して築き上げられた庭園都市だったわけですが、伝統は大切にされないとすぐに壊れてしまうものです。
明治以来の(遅れているという意味で西洋より西洋的な。近代を克服する要素が無いという意味でより近代的な。)西洋化のベクトルの行きつく先なのかな、という感じもします。
お金があんまりないところは、相続をエサに老後を観てもらっている部分もあるでしょう。相続税をやるのであれば、もっと余っている所から取らねばなりません。
「丸の内」編では明治の東京駅の基礎工事の堅牢さに本放送でも打たれましたが、そこにさらに実用に耐えうるかテストを繰り返したところに再び感銘。
それを考えると、「世界一の安全基準」をはじめ本当に原発は情けないと思います。
基礎に松の木を1万9千本。人力なので一日一本とかそういうペースでやっていったとのこと。煉瓦はタイル並の密度で覆輪目地という難しい目地を採用。
人口増を見越して高架にしたのも計画的です。
これが日本のモノづくりの原点であるという話。
日本のものづくりというと職人文化と結び付けられますが、それ以前に基本となっているのは、こういった根気で、それは江戸時代までに培われたものだったのだといえます。
「渋谷編」も改めてみて面白かったですね。
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