サントリー美術館 生誕三百年同い年の天才絵師 若冲と蕪村 第3展示期間 その1

#その他芸術、アート

行って参りました。

二人は同い年で住んでいた場所もすぐ近く。ちょうど「はんなり」で横山さんが(北原さんと再び)行っていた錦市場の周辺に若冲・蕪村・大雅・応挙・呉春といった人たちが密集して住んでいたのだそうです。

しかし二人の間には交流があったという記録が無く、不思議な間柄なのだとのこと。共通の知人はたくさんいたのだそうです。

カタログには蕪村は文に比重があって若冲は絵師だったので交流が無かったのではという意味の研究家の言葉が引用されていました。

若冲は八百屋さんで蕪村は大阪の農家ですが、特に人物紹介では、商人・農民といったことは書かれず。交友の中でも影響があった節がありません。
士農工商が後付の理論であることが、ここら辺の感覚からもうかがえると思います。

最初に置かれていたのは「伊藤若冲ほか 筆 諸家寄合椀 十一合 朱塗椀 江戸時代・18―19 世紀」でその密集していた人たちの個性が一覧できます。若冲はやっぱりこのぼたっと墨を置いたような梅が印象的。

「伊藤若冲、与謝蕪村ほか 筆 諸家寄合膳 二十枚 朱塗膳 江戸時代・18―19 世紀」では玉瀾の繊細な風景画が目立ちます。紀煤亭(という名前で正確だったかな?)という人のカニが輪郭だけの簡略なもので面白いですけど、こういうのは描き方としてあるカニだったみたいですね。寝ている人物くのくしゃっとたたまれた感じも、雅です。

他は蕭白の字が雅で結構上手いのや、蕪村の求道的な雰囲気などが印象に残りました。

「与謝蕪村、円山応挙 合筆 「ちいもはゝも」画賛 一幅 紙本墨画淡彩 江戸時代・18 世紀 広島・海の見える杜美術館」は「猫も杓子も」をしゃれて描いたもので、蕪村の首の長いしゃもじ美人が結構きれいで、応挙の猫も酔いどれたように気持ちよさそうに踊っています。満面の笑みが本当に注目すべきところで、時代の精神が出ています。

こういう戯画はカタログによると一蝶の影響があるとのこと。本当に影響の大きい絵師です。ちょっとふざけていたせいか旧来の文脈では軽視されていた絵師だったと思います。

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