は活躍が旺盛で、驚くくらい。ご本人も健康な遺伝子を持っているといっていましたけど、背筋がしっかりしていて元気です。
詩は相変わらずの、数式が詩になった様な透明感と宇宙的な響き。「詩情」という言葉が出てきましたけど、そういう感じの人ではないですよね。
大胆な表現と共に、バランス感覚も感じました。こういう部分に光を当てるなら、こういう部分にも当てないと偏っちゃうよね、といった思考の跡を詩から感じます。
読者との交流シーンが多く、今の日本をどう思うか、ということを聴衆に聞かれていましたが、酷い世の中になった、という一般論を述べるに止まっていました。
反対なんだろうけど力強さはなくて、徹子さんのようなスタンスですよね。
きっと質問した女性は、谷川さんに声を上げてもらいたかったんだと思う。
そういう意味では良くも悪くも透明な人なんですよね。
アーサー・ビナードさんは明らかに西洋の詩人の文化を受け継いでいて、詩が社会風刺であるのは当たり前という人なんですよね。
ギリシアの吟遊詩人の風刺に始まる、という風にあちらではアイデンティティを持っていると思うんですけど、そういう文化です。
一方で日本の詩人には批評精神が無い、ということはありません。古典を紐とけばたくさんの狂歌や落首があります。万葉集にも風刺はあります。
ただやっぱり、明治以降の詩は、特に有名なものは風刺精神に欠けるといえるのではないか。
谷川さんの詩は面白いですけど、そういう詩の大きな流れの中でも考えたくなりますよね。
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