舞台「No.9-不滅の旋律-」10月13日14時の部 その3

(ちょっと褒めていなかったり冗長な部分は反転しています。)
二幕では苦悩するところが多く、そもそも「苦悩する芸術家」風の稲垣くんは似合っているようでもあるんですが、苦悩の前提になるベートーヴェンの傲岸さがそもそもなく、かなり違うなーという感じ。

稲垣くんが弱いので一層大島さんの強さが際立っていたといえるでしょう。

最後に悟りを開いたかのように人柄が優しく朗らかになりカールを開放するところは、ちょっとどうなんだろうという感じ。苦しみながら死んでいくのがベートーヴェンですよね。

ただそれでは劇の主題である苦悩から歓喜へが表せない。最後の第九を演奏しての大団円のシーンも作れない。

これは人を癒し、明るくする才能を持った大島さん扮するマリアが代理人になったことによって生じたパラレルワールドと考えるとうまくいくのではないでしょうか。そうにちがいありません!

秘書がアントン・シンドラーじゃなくて大島さんだったら実際ベートーヴェンは幸せだったかもしれませんよね。

大島さんはカール君と遊んでいる所とか、とてもかわいらしかったです!

契約書を示す時の毅然とした感じも流石。やっぱり当て書きは良いですねぇ~。

一方で警官さんに自重を促して謝るシーンも、積極的だけど無謀ではなく慎重で常識的な大島さんの個性が良く出ていたと思います。

こういう狂言回しの役は大体主役で、やっぱりかなり主役に近い役でしたよね。

服装もいろいろあって華やかでした!

最後の第九の合唱のシーンでは涙ぐむ演技もしっかりしていました!

無理やり悪いところを探せば、滑舌が悪くて聞き取りにくいところが極稀にあったでしょうか。あと声音の種類がもっとあっても良いのかも知れませんが、こういったところは、喉のコンディションとの関係もあるのかもしれませんので、なんともいえません。

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