曲に戻ると春の第一楽章は、ああ、春が来たという感じではなく、春だけど、心中、犯人を追いつめるべく奮闘しているのかなといった雰囲気。
春の第2楽章は一転して「悲歌のシンフォニー」的な色彩。コンクリート打ちっぱなしの壁にさーっと光が差してくる感じ。
現代的な教会音楽の様な切々とした響きがこれまた今風です。
秋の第一楽章や冬の第一楽章のような有名な旋律は結構使っている感じ。ただ、そのまま使われず旋律がある部分で切れて他の所と繋げられていたり、工夫が凝らされています。かくっと予想が裏切られる感じがサビになっています。
DJっぽいというか、キュビズムの音楽的な表れと言えるでしょうか。こういうのは絵の世界からやってきた影響である可能性がありますよね。
「生命大躍進」展ではなんと生命が植物やコロナウイルスのDNAを取り込みながら進化してきたことが示されました。そんな分野違いのDNAの取り込みを思わせる部分です。
冬の第3楽章は鳴っているか鳴っていないかといった弱音をヴァイオリンが奏で続ける間に、他の楽器が動的な旋律を奏でる構成。せわしなくもひんやりと厳か。
アンサンブルを静的部分と動的な部分に分けて、コントラストを鮮やかに付ける手法が多用されていて、効果的にドラマチックでした。
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