行って参りました!
生田どんの「ふしぎ発見」でも紹介されていた本展。イタリアからの友情を感じていかないわけにはいかない展覧会です!
このアカデミア美術館はナポレオンがヴェネチア絵画の散逸を防ぐために設立したのがはじめとのこと。彼は文化的な業績も幅広いところが現代でも名声を博する一つの理由でしょう。
カタログによると印象派はみなヴェネツィア・ルネッサンス絵画の影響を受けていて、ジャポニズムとヴェネツィア・ルネッサンス絵画の組み合わせで生まれたのが印象派であるとのこと。
冒頭の「ジョヴァンニ・ベッリーニ 聖母子(赤い智天使の聖母)」は嫋やかな聖母子像でさすがに素晴らしいです。
良い作品がすごく多いですけど、あまりにもキリスト教尽くしで正直入っていけない最後の一線を感じることも。
「パオロ・ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ)《レパントの海戦の寓意》」は神のご加護でオスマン・トルコに勝利したといった絵で、劇的ですけど、これに感動しきって良いのかという感じも・・・・・。
いっそのこと思いっきり教会っぽい「パルマ・イル・ジョーヴァネ(本名ヤコポ・ネグレッティ)《聖母子と聖ドミニクス、聖ヒュアキントゥス、聖フランチェスコ》」の溢れ出るような劇的な画面構成に惹かれました。
同じキリスト教絵画でもミケランジェロなどにはそこまで違和感を感じないのは何でだろうと思ったんですけど、システィーナ礼拝堂の天井画に異教の神様をも描きこんでしまう宗派性を脱した精神がなんとなく他の作品にも表れているからではないかと思いました。
今回呼び物の巨大祭壇画「ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《受胎告知》」はルーベンスをも超えるのではないかと思われる、キリスト教絵画としての荘厳性を感じさせる作品。
しかし、光の加減で上部がみえないのは何とか展示を工夫できないものなのかなと思いました。
全体としてはどんなジャンルでも動きがあって非常に劇的であり、観ていて楽しいのがヴェネチア・ルネサンス絵画の特徴だと思います。
色彩に溢れていて人間らしさがあるといういう解説で、日々を生き楽しむ人たちのための絵画なのだなということを感じました。
冒頭に掲げられた主催者のいうフィレンツェ・ルネサンス絵画との違いは遠回しでピンときませんでしたが、ズバリ言えば結局はそういう違いなのだと思います。
遠路はるばる、貴重で巨大だったりデリケートな作品をありがとうございました。そういえば、今年の終わりと共に日伊国交樹立150周年の年も終わってしまうことに気が付き、寂しさを感じます。
双方に地震があったこともあり、苦心を共にした濃密な一年だったとも言えると思います。
これからのますますの友好と芸術的交流を祝して!!!
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