(丸山裕美子の表裏の歴史学)古代の太上天皇 天皇と同格の位置づけ

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http://www.asahi.com/articles/DA3S12912367.html)で取り上げられている名称問題は煩瑣に思えてあまり耳に入れていなかったんですけど、これを読むと伝統的に使われて来た皇太后の方が一人の人間として自立をしている響きがある。

(中国と)日本の有史以前からの伝統である母系社会の流れを自然に汲んでいる呼称だと思う。

上皇后という新たな呼称は、明治以降の男性が中心で女性は添え物という、プロテスタントの価値観を取り入れたのちの発想で作られていると強く感じます。

これが通ってしまうとまた一つ作られた伝統が誕生し、社会にその価値観が広まってしまうと考えます。

現在、退位した天皇の皇后の称号として、「上皇后」という、歴史上使われたことのない新たな称号が設けられる見通しである。古代の律令法では、天皇の母で、かつ先帝の皇后を「皇太后」と称した。皇太后には未亡人のイメージが強いことが懸念されたようであるが、本来はそのような意味はない。国家珍宝帳にみえる光明皇太后は、聖武太上天皇の生前にも皇太后であった。

 とはいえ、伝統の積み重ねの上に、社会の変化に応じて、かたちを変えながら歴史は流れていく。いたずらな復古は不要である。上皇と上皇后、「配偶者であることを表す」(有識者会議)という視点は、古いようで新しくもあり、それもいいかもしれない。

とのことですがコラムの著者は恐らく私ほど江戸期と明治の価値観の断絶と転換に敏感ではなく、そこに焦点を当てた研究もされていないと思うので鷹揚に構えていらっしゃるように見受けられますが、これは問題だと思います。

歴史家やジェンダーの専門家は重く捉えて抗議をするべきだと思う。

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