2013年2月5日 NHKラジオ第1

ラジオ

では冨田勲が出演。

片山杜秀さんの本に冨田勲は米軍が落としていった真鍮の音に惹かれて音楽家になった、ということが書いてありましたけど、真鍮の音とシンセサイザー、そして初音ミクの声は共通点がある感じですよね。

子供の頃に衝撃を受けた宮沢賢治の世界を表現するのに初音ミクはぴったりだという話でしたが、確かに宮沢賢治の宇宙的で異次元な感じが良く出ていました。

モーツァルトは優雅にやるならまだアカデミックな無味乾燥な方が良い、とワルターがいっていましたけど、モーツァルトのような天上的な世界を表現するためにあえて雑駁な有機性を排除するといいますか、そういう考えが似ているように思います。

以前に三輪明宏は最近の芸術はなっていない、と話をしてモーツァルトの40番の冒頭を良い例と悪い例とで歌ったんですが、前者はそっけなく、後者の良い例の方では感情表現たっぷりに歌っていて、これは確かに良い芸術の大部分で通用するセオリーなんですけど、モーツァルトだと逆に駄目になってしまうんですよね。

そういった機微を含んだような冨田さんのチョイスだったと思います。

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