横浜高島屋 NHK美の壺展

#その他芸術、アート

行って参りました。この番組は好きで野仏の回以外全て観ています。野仏の回は別に録画してあるんですが、期待が大き過ぎて勿体無くて観られないという状態でして・・・情熱大陸の庄司紗矢香たその回も同じなんですが、早く思い切ってしまわないと死蔵する事になってしまいそうです^^:
放送で印象深いのは「円空と木喰」や「根付」「和箪笥」といった所ですね。特に「円空と木喰」は仏像が生活に密着している様まで描かれていたのが、作品の完成を見ているようでお得でした。「レトロポスター」の回も眼を開かれました。表を見て内容が殆ど思い出せないものも幾つか有りましたけど^^:
「美の壺展」は本当は日本橋でやっていた時に行けば良かったんですが、機会を逸してしまいましたので、横浜まで行きました。
新宿にちょっと寄ってから横浜へ行って、昼食のおにぎりを横浜高島屋の前の花壇の生垣に座って食べたんですけど、風が強くて寒いんですよね。私が薄着を好むのもあるのですが。風が止まないかなと思っていたら、止んだんでラッキーと思ったんですけど、今度は煙草の匂いがしてきまして、また風が吹かないかなと切実に思いました(笑)有り難くも吹いてくれて助かったんですけど、人の価値観というのはとことん相対的だな、と痛み入った次第です(笑)
会場に入ると最初にまず何気無く花が生けていましたが、良い感じでした。シダ植物っぽいのが利いていましたし、向かって右側の突き出た枝が調和を破ってバランスが良かった?です。
最初は伊万里焼きだったんですけど、柿右衛門の「米の研ぎ汁の白」が明るく暖かい感じで見事でした。
トークイベントをやっていまして、はなさんの仏像講話を聴けると思って出かけたんですけど、ここで何やら違う内容のアナウンスが・・・。良く予定表を見るとはなさんは4日前でした。ぐがっ。
という訳で、講演は「ガレとドーム、アールヌーヴォーのガラスの魅力」鈴木潔(美術史家・北澤美術館学芸部長)でして、45分間直立不動で聴いていたんですが、結構面白かったです。ガレの素材の良さとか、光りのあて具合による変化等、色々面白かったですが、研究家の交友関係の雰囲気も良いなと思いました(笑)ちょっと躊躇いがちにも、「ガラス細工の先進国はフランスで、薩摩切子とか、日本は遅れていた」と色彩や光りによる変化を理由に断言されていまして、私もかなり納得したんですが(笑)、実際陳列されていた薩摩切子を見るとこれはこれで大変なものだと思いました。彩りが少ないのに仕事が丁寧で磨き上げられているから、純粋さの際立ち方が半端じゃないんですよね。特に「切子脚付杯」と「切子面取脚付杯」が簡朴で澄んでいて、個人的には根付けと並んで一番感動しました。
アールヌーヴォーの名品が横に陳列されていたので、一層思ったんですが、やはりこれは日本人の―――美意識というより―――精神だと思います。日本人―――大和民族と言った方が適切かもしれませんが―――の精神の奥底から美しい所だけを取り出して凝縮すると、この切子に成る様な気がします―――薩摩切子ですが。
とはいえやはりアールヌーヴォーも素晴らしく、ガレの「蜻蛉文鉢」の光りの加減によるドラスティックな変化には繊細な感性を感じました。ケースの中で光りを様々な角度から当てたり、土台が回転していたりして、非常に工夫していて番組同様丁寧な展示でした。
ドームの「狩猟文脚付花器」はカボションといわれる表面張力で作った半円形の出っ張りが面白くて描写の細密も凄かったですし、「風雨樹林文花器」は風雨の涼やかな感じが良かったです。
あんまり多く生で見ていないので言い難いですが、私は根付が好きでして、「縮み志向の日本人」なんていう本が有りましたけど、そういう文脈から見たとき日本に最も最適な工芸品は根付だと思います。「結晶化の極み」という言葉を拝借して贈りたいです(笑)
「仔犬」「猿」が相変わらず魅力的な質感で、艶めかしさが有りました。おばあさん風味の「小野小町」もチャーミングでした。「蛤細工根付」が凄まじく、貝殻の口に鳥居が有って、その中に人が居たりして一つの極小世界を構成していました。解説にもどうやって作ったのか分からないと有りましたが、そういう表現を可能にした伎倆の高さは勿論のこと、貝殻で保護することによって、根付らしからぬ凹凸のある表現を可能にした発想にも感心しました。
他には織部焼きがへんてこなデザインの物揃いで、「どんぐりと山猫」の「このなかで、いちばんえらくなくて、ばかで、めちゃくちゃで、てんでなっていなくて、あたまのつぶれたようなやつが、いちばんえらいのだ。」という台詞を思い出しました(笑)「黒織部茶碗」が真っ黒で無造作に白でばってんが付けられていてぐにゃぐにゃで凄く、感じる所は有りましたが、これをもって織部焼きを理解したとはしたくは無い所です。「青織部煙管」の煙管なんですけど煙管を模倣したような、とぼけた感じも良かったです。
レトロポスターは髙島屋伝馬駅町店開店祝いの北野常富の「京舞妓若松」が品のある佇まいで、麗しゅうございました。
染型紙の幾何学的な美しさと創意工夫も素晴らしかったです。
展覧会を出ると特売場と直結していまして、柴舟さん推薦の、水で書いて何度も乾かして練習できる半紙が面白かったです。長寿企業の進取の気風がこんな所に。630円もしたので15分位迷った末に自重したんですが、やっぱり欲しい気がしてきたので、今度新宿に行ったら探して来ようと思います。
見本として数本の万華鏡が置いてあってこれがとても綺麗で、展覧会を〆ていました。衛生面が気になったんですけど、じっと見ているうちに目が何度か付いてしまいました(笑)
総覧的で色々な品を比べることで、考える事が出来ましたし、それぞれの分野の出展品がみんな一流という、夢見心地と言っても良い展覧会でした。番組の方は放送開始からもう二年も経っているというのに、毎週美しい工芸品が出て来るところが驚異的です。特に今度放送の備前は期待しております(笑)こういう番組ならではの個性的な展覧会でした。ありがとうございました。

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