戸栗美術館 小さな伊万里焼展- 小皿・猪口・向付 -前期 その3

#その他芸術、アート

「鉄絵 梅樹文 四方鉢」は歪みの強い、これまた織部の影響を受けた作品。

「銹釉 木目文 変形皿」は伊万里は茶陶の中で格が低かったので、格が高い木製皿を写した。薄くて固く実用性も高い、とのこと。午後の解説では伊万里は光沢があるので茶陶に向かず、つや消しの意味で木製っぽくしてあるとのこと。

「色絵 梅花丸文 分銅形皿」は分銅を模したもの。こういうのも古九谷様式なんですね。

「染付 魚型皿」は「魚」は中国語で「余る」という言葉と発音が同じなので、お金が余って縁起が良いと取られているとのこと。魚は中国の陶磁で一番ポピュラーな図柄といってよいと思うんですけど、そういう意味があるんですね。

「色絵 菊花文皿」菊を大きく描いた上でわざと隠している構図で、こういったのも織部の影響であろうとのこと。
広重などにもよくあるタイプの構図ですが、織部が源流だということでしょうか。一番描きたいものをぼやかしてしまう、という点では、牧谿・等伯といった水墨画の伝統の流れも感じさせますが。

また、日本の絵画・陶磁やその他芸術は、戯れるという気持ちが全体的にそもそも備わっていて、どれくらいのパーセントで織部の影響なのか、ということはなかなか断定しがたいようにも思います。

「色絵 山水文 富士山形皿」は高台も富士山形という凝ったもの。

「染付 茗荷形皿」はいわゆる冥加に尽きるの冥加のダジャレであるとのこと。

「染付 雪待柴垣文 扇子形皿」は伊万里の技術のピークを示す逸品。

「色絵 花文 高足杯」は洋風の精巧な作りの盃。午後の解説ではこのような杯が注文された背景には町人が力をつけてきたことがあるとのこと。

「染付 山水文 六角向付」はこれで何を飲むか想像したりするのも楽しいということで、解説のお姉さまは、お酒とのこと。

「青磁瑠璃銹釉 瓜形水滴」はかぼちゃのように区切られ、塗り分けられた意欲的な作品。

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