行って参りました。
まずは階段中にある柿右衛門様式の西欧でカップ&ソーサーとして使われたという品が、良い出来で清楚。海に向かって視界が開ける思いがします。ティーポットもならべられていて、伊万里としては初期のもので、西欧の軟陶に似ているとのこと。
特別展示室でもお茶碗の広東形や端反形といった様式を絡めて説明されていて、伊万里だけのようでいて、世界のいろいろな陶磁器との比較があるのも、この美術館の特徴と言えます。
一階の浜野マユミさんの展示は現代に伊万里焼を再現しているもので、工程で使う道具とともに並べられていて、面白かったです、型紙がありましたが、柿渋が塗られている模様。
本展に飾られていた、かつての展覧会アンケートで一番だったという白に陽刻を施したものがとても良くできています。染付の絵付けは少し濃淡がもやっとしている感じがあるでしょうか。
この日は「やきもの展示解説<入門編>」が行われていて、いろいろな焼き物に触れられてとても楽しかったですし貴重な機会でした。陶片だと断面からより構造がよくわかりますね。
伊万里の初期では陶器と磁器を一緒に焼いていた、といったことや、種類の見分け方が解説され、白い陶器でも高台には釉薬がかからないので元の色が残っているので、そこで磁器と陶器を見分けるのだそうです。あとは叩いて音が違うこと。
これは相当日本文化に詳しいと目されている人でも間違えたりしますので、注意したいところ。
あとは日本には伝統的に存在しない分類である、磁器と陶器の中間の炻器についても解説されていて、備前などがこれに分類されるとのこと。
当時の制作過程では、老若男女が参加して作られる工業製品であったことを強調。現代のように芸術家が作る工芸品ではありません。
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